2010年6月18日

6/24 東京大学東洋文化研究所、2010年度第第1回定例研究会

第1回定例研究会(律する者と詠う者―パーリ仏典伝承史の構想―)のご案内(6月24日)

日時:平成22年6月24日(木)14時~

場所:東京大学東洋文化研究所大会議室

発表者:馬場 紀寿(東洋文化研究所准教授)

司会者:名和 克郎(東洋文化研究所准教授)

コメンテータ:永ノ尾 信悟(東洋文化研究所教授)

スリランカと東南アジア大陸部に広まる上座部仏教は、古代インドの言語の一つ、パーリ語による仏典を伝承している。
その写本・刊本は、シンハラ文字、ビルマ文字、タイ文字等で各国に伝わり、仏典の言葉であるパーリ語は聖なる言語としてこれらの地域に多大な文化的影響を与えてきた。
発表者はこれまでパーリ仏典が正典として確立する過程について研究してきたが、今後は、正典確立以前のパーリ仏典の伝承形態を調査し、パーリ仏典伝承史を全体的に解明することを目指している。
本発表では、他系統の仏典(サンスクリット写本や漢訳仏典等)との比較研究やパーリ文献の様式分析によって、初期パーリ仏典の伝承者に「僧団の規律を定める集団」と「韻文を詠誦する人々」との二系統が存在したことを示したい。