2011年5月20日

6/26 第5回日本カンボジア研究会、発表要旨(5)

個人発表(5)
「カンボジアのプノンペンにおける「学校をさぼる高校生」についての予備調査報告」
林 若可奈(大阪大学大学院人間科学研究科グローバル人間学専攻博士前期課程)

カンボジアは、1975~79年のポル・ポト政権下における社会と文明の破壊と、政権崩壊後の社会混乱を経て、国際社会の協力を得ながら復興に向けた努力を続けてきた。2000年以降の10年間には急速に市場経済化が進み、経済発展とともに人々の生活も変化した。首都プノンペンでは中産階級家庭が増えており、高校、大学へ通うことのできる子どもたちも増加している。しかし、中等教育、高等教育における教育指標を見ると未だ地域間の格差が大きく、首都プノンペンを始めとする都市部の子どもたちの教育環境は、カンボジア全体の状況と比較すると恵まれていると言える。
こういった背景の中、プノンペンでは教育を受けられる状況にありながら自ら学ぶ機会を放棄する高校生が現れている。本研究では彼らのことを「学校をさぼる高校生」と呼ぶ。 本研究では、プノンペンにおいて増加している「学校をさぼる高校生」に焦点を当て、その実態と彼らを「さぼり」に駆り立てる要因、そしてこの問題に対する学校や教育省、カンボジア社会の対応について考察していきたいと考えている。
本発表では、「学校をさぼる高校生」の概要を探ることを目的に、プノンペンにおいて2011年に行った予備調査の結果に加えて、先行研究を用いておこなった考察についても報告する。

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