2011年5月20日

6/26 第5回日本カンボジア研究会、発表要旨(8)

個人発表(8)
「仏植民地期カンボジアにおける精神医学・医療」
吉田尚史(早稲田大学大学院文学研究科博士課程)

カンボジア国立公文書館にて閲読可能な「官報」「理事長官文書」の中から入手できた史料を用いて、仏植民地期カンボジアにおける精神医学・医療の状態とその特徴について検討する。仏植民地期カンボジアの医学・医療全般についての研究(Guillou 2009, Oversen and Trankell 2010)が近年展開している。一方、仏植民地期カンボジアの「精神医学・医療」に焦点を絞った研究は未だない。収容型精神病院であるタクマウ病院は、 1935年から建設が開始されて1945年に公式に開業されたが、民主カンプチア政権下で断絶した。仏植民地期になぜタクマウ病院は設立されて精神病者の扱われ方はどう変化したのか、一次資料から読み取れる事実に基づいて、現代カンボジアにおける精神医学・医療との比較という視点をいれて考察する。発表は 中間報告であり、史料の資料的価値などについて、ご意見やコメントを賜わる場としたい。

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