2011年5月20日

6/25 第5回日本カンボジア研究会、発表要旨(2)

個人発表(2)
「カンボジア2001年土地法とその施行における課題 」
初鹿野 直美(アジア経済研究所)

カンボジアでは、ポル・ポト時代に土地制度に関する一切が破壊されてしまった。土地の私有は1989年に復活し、1992年に最初の土地法が制定された。その後策定された2001年土地法は、アジア開発銀行(ADB)の支援を受け、多くの国際機関・二国間援助機関や国際・国内NGOらとのコンサルテーションを経たものである。しかし、同土地法策定以降も、カンボジア国内での土地所有権をめぐる争いは各地で頻発しており、その勢いは衰えを見せることがない。むしろ、2000年代の著しい経済成長に比例して、問題は深刻化している。
本報告では、まずカンボジア土地法制の略史を振り返り、2001年土地 法の改正ポイントについて紹介する。そのうえで、土地紛争の具体例に触れつつ、なぜそのような紛争が生じてしまったのか、土地法の内容およびその後の施行 実態における問題点について検討したい。

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