ケン ポリン(KHEN, Phallin)横浜国立大学・大学院生
「カンボジアの加盟事例を通じて見るCPTPPの概要」
“An Introduction to the CPTPP through the
Case of Cambodia’s Accession”
(発表要旨)
アジア太平洋地域では、地域的な包括的経済連携(RCEP)が2022年に発効し、カンボジアはその原加盟国として大きな恩恵を受けている。そして、カンボジアは2025年12月、より高水準の貿易協定である環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)への加盟を正式に申請した。
なぜRCEPに既に加盟しているにもかかわらず、カンボジアは更にCPTPPを目指すのか。2029年に予定される後発開発途上国(LDC)からの卒業し、これにより、これまでカンボジアが享受してきた特恵待遇が段階的に縮小されることが確実視されている。CPTPP加盟は、市場アクセスの維持、貿易競争力の強化、そして国内の法制度・規制改革を促進するための戦略的選択肢として位置付けることができる。
本発表の目的は三点である。第一に、CPTPPの制度的・法的枠組みを概観する。第二に、RCEPのみではカンボジアの長期的な貿易目標に対して不十分である理由を、具体的な協定内容の比較を通じて検討する。第三に、カンボジアがCPTPP加盟に向けて必要となる準備事項(国内法の整合性、制度整備、交渉戦略など)を明らかにする。これらを通じて、途上国であるカンボジアのCPTPP加盟が有する意義と課題を提示したい。