2026年7月7日

発表要旨(4)

ディー パーヌット(DY, Phanith)横浜国立大学・大学院生

「金銭消費貸借における損害賠償を巡る法的問題」
“Legal issues surrounding compensation for damages in loan contract”

(発表要旨)
 本発表は、カンボジア司法省が公開している貸金返還請求事件に関する民事判決、日本の判例・学説・2017年債権法改正資料等を主たる資料として依拠するものである。調査方法としては、カンボジアにおける判決分析、日本法に関する文献・判例調査を行い、各国における損害賠償の判断基準と責任構造を比較検討する。本研究の目的は、金銭消費貸借契約における損害賠償の法的根拠と範囲を明らかにし、貸主・借主双方の責任の在り方を整理する点にある。具体的には、①返済遅滞による借主責任、②貸主による金銭不交付責任、③解除に伴う損害賠償責任、④期限前弁済による責任を中心に検討する。その結果、カンボジア法においては損害賠償の範囲や判断基準が十分に体系化されておらず、比較法的視点を踏まえた基準整理が必要であることを示し、日本法の理論がその整備に重要な示唆を与えることを結論として提示する。