2026年7月7日

ポスター発表要旨(3)

 井戸千沙都(IDO, Chisato)仙台二華高校

「カンボジアにおける祠の分布と形態変化」
“Distribution and Morphological Changes of Shrines in Cambodia”

(発表要旨)
 現代カンボジアの景観を象徴する金色の祠「spirit house 」は、伝統的なアニミズム信仰に基づく土地の守護霊の依代である。市場に既製品の祠が流通し、画一化が進む一方で、地域によっては多様な受容形態が見られる。本研究では、シェムリアップ近郊の幹線道路沿い、農村、および水上集落を対象に、現地での聞き取り調査に加え、Google Earthを用いた衛星写真解析による広域的な分布調査を実施した。調査の結果、道路網が発達した地域では既製品による均一化が顕著である一方、農村部では貧困状況(IDプアカードの有無等)が設置の可否や形態に影響を与えている実態が確認された。また、水上集落では物理的制約に対し、柱を利用する等の環境適応的な形態維持が判明した。本解析を通じ、祠の標準化が地理的・経済的制約下で維持される独自の適応が明らかとなった。