2024年6月8日

発表要旨(3)

 ジア・シュウマイ(CHEA Seavmey)国土整備・都市計画・建設省

「アンコール遺跡のゾーン1とゾーン2における不法居住者の問題」

“The Study on Land Occupancy Issues in Angkor Site Zone 1 and Zone 2”

(発表要旨)

 本稿は、「アンコール遺跡のゾーン1とゾーン2に住んでいる不法居住者の問題」である。発展途上国における世界遺産の保護は、世界遺産を保護しながら、住民の経済活動や都市開発との両立に立ち向かう必要がある。実際、2008年から住民の増加に伴う違法建設の拡大が起因に、アンコール遺跡に悪影響を与えている。アンコール遺跡の特別な事情としては、世界遺産に登録された後も、昔からの住民を追い出さず、占有を認める一方で、所有権の付与を認めていないことがある。この問題は長年の課題であり、違法建造物の撤去が「アンコール地域からの難民」を生み出しているという住民からの批判を受けながら、政府は「適切な環境で家を建てること、かつ、移転先で法的な所有権を付与すること」という方針であり、対立が続いている。まとめは、①不法居住問題を取り巻く様々な問題点の概括、②上述した問題点を踏まえて再検討すべきタスクについて触れた。