2024年6月8日

発表要旨(6)

宮島良子(MIYAJIMA Ryoko)名古屋経済大学

レイン幸代(LENG Yukiyo)国際交流基金 海外派遣日本語専門家

「クメール語による議論的作文の特徴」

“Characteristics of Argumentative Composition in Khmer”

(発表要旨)

 本発表は、カンボジア人が中等教育までにどのような作文(意見文)の「型」を身につけて大学に入学しているのかを明らかにしたものである。調査は3種実施した。まず1つ目は、カンボジアの高校でどのようなクメール語作文の教育がなされているのかの資料調査である。2つ目は、社会科学系の学部に所属するカンボジア人大学1年生に対して、実施した作文(議論的作文)調査である。そして、3つ目は、日本語で法学を学び、日本留学経験のあるカンボジア人に実施したインタビュー調査である。これらの調査によって、カンボジアでは「議論的作文」という形で意見文に類似したものを書く指導がなされていることが判明した。そして収集した作文及びインタビュー調査からは、大学入学までに作文の一定の「型」を身につけていること、日本の「私見」とは異なる「カンボジア的私見」が重視されていることが判明した。