このたび早稲田大学文化財総合調査研究所は、東南アジア大陸部の文化遺産に関する研究会・シンポジウム「メコンがつなぐ文化多様性 −東南アジア文化遺産研究の現在−」を下記の通り開催することとなりました。
本イベントではメコン川流域の5カ国から文化遺産に携わる行政担当官や研究者などの専門家を12名お招きして、文化遺産の保護・研究に関する最新の成果などをご発表をいただきます。3日間にわたるイベントで、日本の研究者や学生らによるポスター展示も併せて行います。東南アジア文化遺産専門家が一堂に会する貴重な機会です。ぜひ奮ってご参加下さいますようお願い申し上げます。
記
----【国際研究会】---
日時:2020年1月23日(木)、1月24日(金)
会場:早稲田大学戸山キャンパス 33号館16階第10会議室
(東京メトロ東西線 早稲田駅 徒歩3分)
アクセス詳細はこちら→ https://www.waseda.jp/top/access/toyama-campus
※使用言語:英語
●プログラム
1日目:1月23日(木)13:00~17:30(開場12:30)
13:00-13:15 オープニングスピーチ:中川武(早稲田大学・名誉教授)
13:15-14:30 カンボジアセッション(75分)
コーディネーター:田畑幸嗣(早稲田大学・教授)
発表1「Survey on ancient drainage system of Preah Vihear temple(プリア・ヴィヘア寺院の古代排水システムに関する研究)」 ペン・サムオウン(プリア・ヴィヘア機構・考古記念物局局長)
発表2「Kok Dei Chhnang kiln site, Koh Ker(コー・ケー、コック・デイ・チナン窯址)」ピン・ペアックダイ(プリア・ヴィヘア機構・考古記念物局局員)
14:30-15:00 休憩
15:00-16:15 ミャンマーセッション(75分)
コーディネーター:大田省一(京都工芸繊維大学・准教授)
発表1 「Teak Wood Architecture and it’s Conservation at Myanmar(ミャンマーのチーク材建築とその保存)」ザー・チ・ミン(工科大学マンダレー校・教授)
発表2 「Cultural Heritage Sites in Myanmar(ミャンマーにおける文化遺産遺跡)」ソー・ソー・リン(宗教文化省考古・国立博物館局バガン支局副支局長)
16:15-16:30 休憩
16:30-17:30 質疑応答・討論
2日目:1月24日(金)10:00~17:30(開場9:30)
10:00-11:15 タイセッション(75分)
コーディネーター:原田あゆみ(九州国立博物館)
発表1 「The Present State of Conservation of Phimai Cultural Route(ピマイ文化ルートの保存の現状)」バス・ポーシャナンダ(文化省芸術局建造物課/イコモス・タイ国内委員会事務
局長)
発表2 「Survival of Religious Heritage in Bangkok(バンコクにおける宗教遺産遺物)」パットラウォン・ポンシン(タイ文化芸術省)
11:15-13:00 休憩(昼食)
13:00-14:15 ラオスセッション(75分)
コーディネーター: 歳原佳世子 (学習院女子大学)
発表1 「Preserving and inheriting cultural heritage of Laos(ラオスの文化遺産の保存と継承)」ヴィエンケオ・ソックサヴァティ(情報・文化・観光省 遺産局服局長)
発表2 「Archaeological Survey at Dongphansen Ancient Site for Preservation in Thakhek District, Khammouane Province,Lao PDR(ラオス、カムアン県、ターケーク地区、Dongphansen古代遺跡の保護に関する考古学的調査)」ソヴァンナホン・ラタナピン(国立大学考古歴史学部・講師)
14:15-15:00 休憩
15:00-16:15 ベトナムセッション(75分)
コーディネーター: 田畑幸嗣(早稲田大学・教授)
発表1 「Archaeological Heritage Management in Vietnam: From the Law to
Reality(ベトナムにおける考古遺産マネージメント:法律から現実へ)」ラム・ティ・ミー・ズン(国家大学人文社会科学大学人類学博物館・館長)
発表2 「The variation of stone tools at Nguom rock-shelter and the potential researches to identify the process of occupation of modern humans in MIS 3, northern Vietnam(グオム岩陰における石器バリエーションとベトナム北部MIS 3における現生人類の居住プロセス特定のための潜在的研究)」ファム・タイン・ソン(ベトナム考古学院・研究員)
16:15-16:30 休憩
16:30-17:30 質疑応答・討論
17:30-17:40 閉会挨拶
---【国際シンポジウム】---
日時:2020年1月25日(土)10:00~16:40(開場9:00)
会場:早稲田大学 早稲田キャンパス27 号館地下2階 小野記念講堂
(東京メトロ東西線 早稲田駅 徒歩5分)
アクセス詳細はこちら→ https://www.waseda.jp/top/access/waseda-campus
主催:文化庁・早稲田大学文化財総合調査研究所
協力:文化財保存計画協会
後援:東京文化財研究所、奈良文化財研究所、文化遺産国際協力コンソーシアム、日本イコモス国内委員会、東南アジア考古学会
※使用言語:日英同時通訳
(定員200名・参加費無料。事前登録は不要です)
●プログラム
10:00-10:10 開会挨拶・趣旨説明:花井俊介(早稲田大学・総合研究機構長)
10:10-11:00 講演1:「世界文化遺産マネージメント」コン・プティカ(カンボジア、プリア・ヴィヘア機構総裁)
11:00-11:50 講演2:「バガン:ミャンマーの世界遺産 ー 美術・建築・文化的景観 ー」テイン・ルイン(ミャンマー、宗教文化省考古・国立博物館局副局長)
11:50-13:30 休憩
13:30-14:10 講演3:「東南アジアにおける東京文化財研究所の文化遺産国際協力」友田正彦(東京文化財研究所・文化遺産国際協力センター センター長)
14:10-14:50 講演4:「奈良文化財研究所の文化遺産国際協力:メコン流域諸国を中心に」佐藤由似(奈良文化財研究所・企画調整部国際遺跡研究室 専門職)
14:50-15:30 休憩
15:30-16:30 カンボジア古典舞踊パフォーマンス・解説:山中ひとみ(カンボジア古典舞踊家)
16:30-16:40 閉会挨拶:田畑幸嗣(早稲田大学・文化財総合調査研究所 所長)
以上
--- お問い合わせ ---
早稲田大学文化財総合調査研究所
メコンシンポジウム事務局
メール:mekong.symposium[atmark]gmail.com
2019年12月24日
2019年10月15日
10/24 第172回東北人類学談話会(東南アジア学会、北海道・東北地区例会、共催)
下記の通り、「東北人類学談話会」との共催で、東南アジア学会 北海道・東北地区例会を開催することになりました。
参加申し込みは不要ですので、奮ってご参加ください。
第172回東北人類学談話会 東南アジア学会 北海道・東北地区例会 共催
日時:10月24日(木)14:30~18:00
場所:東北大学文学研究科棟 7階 701講義室(予定)
14:30~(発表30分、質疑応答15分)
発表者:髙島理奈子氏(東京大学大学院農学生命科学研究科 修士課程)
発表題目:
カンボジアにおける水利用の異なる多様な稲生態系での営農の近年の変化
休憩15:15~15:30
15:30~
発表者:宮城県仙台二華高等学校2年生(GS課題研究ⅡA)
発表題目:北上川、メコン川をフィールドとした世界の水問題解決への取組
※12グループによるポスター発表となります。
参加申し込みは不要ですので、奮ってご参加ください。
第172回東北人類学談話会 東南アジア学会 北海道・東北地区例会 共催
日時:10月24日(木)14:30~18:00
場所:東北大学文学研究科棟 7階 701講義室(予定)
14:30~(発表30分、質疑応答15分)
発表者:髙島理奈子氏(東京大学大学院農学生命科学研究科 修士課程)
発表題目:
カンボジアにおける水利用の異なる多様な稲生態系での営農の近年の変化
休憩15:15~15:30
15:30~
発表者:宮城県仙台二華高等学校2年生(GS課題研究ⅡA)
発表題目:北上川、メコン川をフィールドとした世界の水問題解決への取組
※12グループによるポスター発表となります。
10/19-20 日本女子大学学園祭「カンボジア手織物の展示会」
下記日程で、「カンボジア手織物の展示&バザー」を日本女子大学学園祭にて開催いたします。
NPO法人 幼い難民を考える会(CYR)のご協力を得て、ピダン(絹絵絣)6点、天然染織品の展示(販売)、絹絣の制作工程を紹介するDVDの上映などを行います。
【日時】:2019年10月19日(土)12時~16時、20日(日)11時~16時
【会場】:日本女子大学西生田キャンパス 日女祭(ひめのさい) 45番教室(4階)
【会場までのアクセス】小田急線読売ランド前駅徒歩15分/向ヶ丘遊園駅から学バス(学内直通)
詳しくはこちら:http://www.jwu.ac.jp/unv/access.html
【展示内容】
〇 CYR カンボジア 伝統絹絵絣「ピダン」6点の展示(ご購入も可能です。)
〇 CYR『カンボジア伝統織物ができるまで』DVDの上映
〇 CYR 天然染料、色見本、織物支援事業についてのパネル紹介
〇 カンボジアの日常生活で使用される布、ドレスなど
【バザー、その他】
〇 CYR バザー(草木染、藍染めによる織物製品;マスコット、巾着、スカーフ、名刺入れなど、500円位~)
〇 「カンボジアを知ろう!Quiz」(ミニ景品あり)
***************************
会場は、都心に近い里山にあります。同日は、学園祭で、石鹸デコパージュ体験やプラネタリウムなどもあり、子どもから大人まで楽しめるイベントを多数ご用意しております。
※事前申込み・入場料不要です。
※バザーの収益はCYRに還元し、カンボジアの保育、女性の自立支援事業のためつかわれます。
***************************
【関連情報】
〇JANIC (国際協力NGOセンター) サイト掲載記事:
https://www.janic.org/information_post/【1019土)20(日)】cyr-カンボジア織物製品の展示バ/
〇 CYR、織物支援事業についてはこちら http://www.cyr.or.jp/
(本企画のバザーは、CYRの委託契約として行っています。)
〇 本企画の Instagramはこちら https://www.instagram.com/weaving_101920/
NPO法人 幼い難民を考える会(CYR)のご協力を得て、ピダン(絹絵絣)6点、天然染織品の展示(販売)、絹絣の制作工程を紹介するDVDの上映などを行います。
【日時】:2019年10月19日(土)12時~16時、20日(日)11時~16時
【会場】:日本女子大学西生田キャンパス 日女祭(ひめのさい) 45番教室(4階)
【会場までのアクセス】小田急線読売ランド前駅徒歩15分/向ヶ丘遊園駅から学バス(学内直通)
詳しくはこちら:http://www.jwu.ac.jp/unv/access.html
【展示内容】
〇 CYR カンボジア 伝統絹絵絣「ピダン」6点の展示(ご購入も可能です。)
〇 CYR『カンボジア伝統織物ができるまで』DVDの上映
〇 CYR 天然染料、色見本、織物支援事業についてのパネル紹介
〇 カンボジアの日常生活で使用される布、ドレスなど
【バザー、その他】
〇 CYR バザー(草木染、藍染めによる織物製品;マスコット、巾着、スカーフ、名刺入れなど、500円位~)
〇 「カンボジアを知ろう!Quiz」(ミニ景品あり)
***************************
会場は、都心に近い里山にあります。同日は、学園祭で、石鹸デコパージュ体験やプラネタリウムなどもあり、子どもから大人まで楽しめるイベントを多数ご用意しております。
※事前申込み・入場料不要です。
※バザーの収益はCYRに還元し、カンボジアの保育、女性の自立支援事業のためつかわれます。
***************************
【関連情報】
〇JANIC (国際協力NGOセンター) サイト掲載記事:
https://www.janic.org/information_post/【1019土)20(日)】cyr-カンボジア織物製品の展示バ/
〇 CYR、織物支援事業についてはこちら http://www.cyr.or.jp/
(本企画のバザーは、CYRの委託契約として行っています。)
〇 本企画の Instagramはこちら https://www.instagram.com/weaving_101920/
2019年7月12日
7/27 第267回東南アジア考古学会例会
第267回 東南アジア考古学会例会をご案内いたします。今回は、東南アジア古代史科研研究会との共催で、カンボジア、前アンコール期の土器研究について報告いただきます。ご出席いただけますようお願い申し上げます。
日時:2019年7月27日(土) 15:00-17:00
会場:早稲田大学・戸山キャンパス33号館6階・国際会議室
発表者:横山未来(早稲田大学・文学研究科博士後期課程)
「カンボジア、サンボー・プレイ・クック遺跡群都市区出土土器の研究」
なお、例会発表に先立ち、同会場にて東南アジア古代史科研研究会が開催されております。プログラムは次の通りですので、こちらも是非ご参加下さい。
古代史科研・第二回研究会のプログラム
日時:2019年7月27日(13:00~17:00)、28日(10:00~13:00)
会場:早稲田大学・戸山キャンパス33号館6階・国際会議室
7月27日(土)
1. 13:00-14:50 研究報告
1.1. 13:00‐13:55
青山亨(東京外国語大学)
「マジャパヒト時代のインドネシア河川流域における『ダルマーシュ
ラヤ』的遺構の位置づけ」
1.2.13:55‐14:50
佐藤由似(奈良文化財研究所)
「14-16世紀におけるカンボジア王都に関する調査報告(仮)」
休憩:14:50‐15:00
2. 15:00-17:00(東南アジア考古学会との共催)
横山未来(早稲田大学・文学研究科博士後期課程)
「カンボジア、サンボー・プレイ・クック遺跡群都市区出土土器の研究」
7月28日(日)
3. 10:00-12:00 インドネシア調査訪問地の紹介
3-1.肥塚隆「ボゴール諸刻文の紹介その他」
3.2.青山亨「『デーシャワルナナ』に見えるカリマンタンの地名の紹介」
3-3.岩本小百合「ケダーの諸碑文と西カリマンタンのBatu Pahat碑文の関連について」
3-4.深見純生「チャンディ・アグン(南カリマンタン)の紹介」
問い合わせ
〒230-8501
神奈川県横浜市鶴見区鶴見2-1-3
鶴見大学6号館文学部文化財学科
田中和彦研究室内 東南アジア考古学会事務局
E-mail: jssaa[atmark]jssaa.jp
日時:2019年7月27日(土) 15:00-17:00
会場:早稲田大学・戸山キャンパス33号館6階・国際会議室
発表者:横山未来(早稲田大学・文学研究科博士後期課程)
「カンボジア、サンボー・プレイ・クック遺跡群都市区出土土器の研究」
なお、例会発表に先立ち、同会場にて東南アジア古代史科研研究会が開催されております。プログラムは次の通りですので、こちらも是非ご参加下さい。
古代史科研・第二回研究会のプログラム
日時:2019年7月27日(13:00~17:00)、28日(10:00~13:00)
会場:早稲田大学・戸山キャンパス33号館6階・国際会議室
7月27日(土)
1. 13:00-14:50 研究報告
1.1. 13:00‐13:55
青山亨(東京外国語大学)
「マジャパヒト時代のインドネシア河川流域における『ダルマーシュ
ラヤ』的遺構の位置づけ」
1.2.13:55‐14:50
佐藤由似(奈良文化財研究所)
「14-16世紀におけるカンボジア王都に関する調査報告(仮)」
休憩:14:50‐15:00
2. 15:00-17:00(東南アジア考古学会との共催)
横山未来(早稲田大学・文学研究科博士後期課程)
「カンボジア、サンボー・プレイ・クック遺跡群都市区出土土器の研究」
7月28日(日)
3. 10:00-12:00 インドネシア調査訪問地の紹介
3-1.肥塚隆「ボゴール諸刻文の紹介その他」
3.2.青山亨「『デーシャワルナナ』に見えるカリマンタンの地名の紹介」
3-3.岩本小百合「ケダーの諸碑文と西カリマンタンのBatu Pahat碑文の関連について」
3-4.深見純生「チャンディ・アグン(南カリマンタン)の紹介」
問い合わせ
〒230-8501
神奈川県横浜市鶴見区鶴見2-1-3
鶴見大学6号館文学部文化財学科
田中和彦研究室内 東南アジア考古学会事務局
E-mail: jssaa[atmark]jssaa.jp
2019年6月19日
7/1-4 セミナー「カンボジア古典舞踊にみる伝統と社会変容」
以下の日程において「カンボジア古典舞踊にみる伝統と社会変容」と題したセミナーを実施いたします。
講師には、プルムソドゥン・アオク(カンボジア古典舞踊家、カンボジア初ゲイ古典舞踊団設立者、TEDスピーカー)お招きし、伝統の継承と革新について議論します。
7月1日(京都大学)、7月3日、4日(立命館大学)にてセミナーを実施いたします。みなさまのお越しをお待ちしております。
[京都大学セミナー]
日時 2019年7月1日 月曜日 11:30-13:00
会場 京都大学 東南アジア地域研究研究所 稲盛財団記念館 2階 201号
題目 Forming Cambodia's First Gay Dance Company
https://kyoto.cseas.kyoto-u.ac.jp/2019/07/20190701/
(セミナーは英語で実施します、日本語通訳ありません)。
[立命館大学ワークショップ1]
日時 2019年7月3日 水曜日 16:20-17:50
会場 立命館大学 びわこ草津キャンパス セントラルアーク2階 Beyond Borders Plaza (BBP)
題目 ワークショップ「不屈のナーガ」(実際に身体を使って基本的な所作を体験します)
http://www.ritsumei.ac.jp/accessmap/bkc/
[立命館大学ワークショップ2]
日時 2019年7月4日 木曜日 14:40-16:10
会場 立命館大学 衣笠キャンパス 平井嘉一郎記念図書館 カンファレンスルーム
題目 ワークショップ「不屈のナーガ」(実際に身体を使って基本的な所作を体験します)
http://www.ritsumei.ac.jp/accessmap/kinugasa/
[講師紹介]About Prumsodun Ok
Born to Khmer refugees in the United States, Prumsodun Ok rose from the poverty and violence-stricken inner city of Long Beach to become the new face of Khmer dance. He uses art to heal, illuminate, and empower, reviving the spirit of his people from the enduring forces of conflict. Seen by many as a champion of Khmer culture, he works as an artist, teacher, and writer to shape a world where everyone can blossom into their fullest selves.
Ok’s interdisciplinary performances contemplate the “avant-garde in antiquity,” and have been presented at the Department of Performing Arts (Cambodia), Bangkok Theater Festival – Asia Focus (Thailand), Za-Koenji (Japan), Godrej Leadership Forum (India), Teatro Benito Juarez (Mexico), bhive (Greece), and REDCAT (United States). They have been celebrated as “a vision of elegance and grace” (The Phnom Penh Post) and “Radical Beauty” (The Bangkok Post).
Ok is the recipient of grants and fellowships from TED, MAP Fund, Surdna Foundation, and Dance/USA, and has been a guest speaker and choreographer at California Institute of the Arts, UCLA, Santa Monica College, and Rajabhat University among others. He was also associate artistic director of Khmer Arts, a member of the Alliance for California Traditional Arts’ Board of Directors, and an artist in residence at the Baryshnikov Arts Center in New York. He is the founding artistic director of Prumsodun Ok & NATYARASA, Cambodia’s first gay dance company, which Channel NewsAsia (Singapore) describes as “one of the most revolutionary dance troupes in Cambodia . . . a dance troupe like no other.”
Ok was named an LGBT+ Creative Leader of Tomorrow for The Dots's and WeTransfer’s Championing Diversity. He is the keynote speaker of the Dance/USA Annual Conerence in 2019. His celebrated TED Talk has been translated into more than fifteen languages and viewed more than 2.5 million times across various platforms.
問い合わせ 羽谷沙織(立命館大学国際教育推進機構)hagai[atmark]fc.ritsumei.ac.jp
科学研究費若手研究(B)「カンボジア古典舞踊の観光化:観光舞踊が担う「正しい」クメール文化の表象と妥協」(研究課題/領域番号: 17K13127)
講師には、プルムソドゥン・アオク(カンボジア古典舞踊家、カンボジア初ゲイ古典舞踊団設立者、TEDスピーカー)お招きし、伝統の継承と革新について議論します。
7月1日(京都大学)、7月3日、4日(立命館大学)にてセミナーを実施いたします。みなさまのお越しをお待ちしております。
[京都大学セミナー]
日時 2019年7月1日 月曜日 11:30-13:00
会場 京都大学 東南アジア地域研究研究所 稲盛財団記念館 2階 201号
題目 Forming Cambodia's First Gay Dance Company
https://kyoto.cseas.kyoto-u.ac.jp/2019/07/20190701/
(セミナーは英語で実施します、日本語通訳ありません)。
[立命館大学ワークショップ1]
日時 2019年7月3日 水曜日 16:20-17:50
会場 立命館大学 びわこ草津キャンパス セントラルアーク2階 Beyond Borders Plaza (BBP)
題目 ワークショップ「不屈のナーガ」(実際に身体を使って基本的な所作を体験します)
http://www.ritsumei.ac.jp/accessmap/bkc/
[立命館大学ワークショップ2]
日時 2019年7月4日 木曜日 14:40-16:10
会場 立命館大学 衣笠キャンパス 平井嘉一郎記念図書館 カンファレンスルーム
題目 ワークショップ「不屈のナーガ」(実際に身体を使って基本的な所作を体験します)
http://www.ritsumei.ac.jp/accessmap/kinugasa/
[講師紹介]About Prumsodun Ok
Born to Khmer refugees in the United States, Prumsodun Ok rose from the poverty and violence-stricken inner city of Long Beach to become the new face of Khmer dance. He uses art to heal, illuminate, and empower, reviving the spirit of his people from the enduring forces of conflict. Seen by many as a champion of Khmer culture, he works as an artist, teacher, and writer to shape a world where everyone can blossom into their fullest selves.
Ok’s interdisciplinary performances contemplate the “avant-garde in antiquity,” and have been presented at the Department of Performing Arts (Cambodia), Bangkok Theater Festival – Asia Focus (Thailand), Za-Koenji (Japan), Godrej Leadership Forum (India), Teatro Benito Juarez (Mexico), bhive (Greece), and REDCAT (United States). They have been celebrated as “a vision of elegance and grace” (The Phnom Penh Post) and “Radical Beauty” (The Bangkok Post).
Ok is the recipient of grants and fellowships from TED, MAP Fund, Surdna Foundation, and Dance/USA, and has been a guest speaker and choreographer at California Institute of the Arts, UCLA, Santa Monica College, and Rajabhat University among others. He was also associate artistic director of Khmer Arts, a member of the Alliance for California Traditional Arts’ Board of Directors, and an artist in residence at the Baryshnikov Arts Center in New York. He is the founding artistic director of Prumsodun Ok & NATYARASA, Cambodia’s first gay dance company, which Channel NewsAsia (Singapore) describes as “one of the most revolutionary dance troupes in Cambodia . . . a dance troupe like no other.”
Ok was named an LGBT+ Creative Leader of Tomorrow for The Dots's and WeTransfer’s Championing Diversity. He is the keynote speaker of the Dance/USA Annual Conerence in 2019. His celebrated TED Talk has been translated into more than fifteen languages and viewed more than 2.5 million times across various platforms.
問い合わせ 羽谷沙織(立命館大学国際教育推進機構)hagai[atmark]fc.ritsumei.ac.jp
科学研究費若手研究(B)「カンボジア古典舞踊の観光化:観光舞踊が担う「正しい」クメール文化の表象と妥協」(研究課題/領域番号: 17K13127)
2019年6月10日
6/29-30 【再掲】第13回日本カンボジア研究会プログラム
期日: 2019年6月29日(土)および30日(日)
会場:
6月29日(土)早稲田大学戸山キャンパス 33号館16階 第10会議室
6月30日(日)早稲田大学戸山キャンパス 39号館1階 考古学研究室
JR山手線 高田馬場駅から徒歩20分
西武新宿線 高田馬場駅から徒歩20分
地下鉄東京メトロ東西線 早稲田駅から徒歩3分
地下鉄東京メトロ副都心線 西早稲田駅から徒歩12分
アクセスマップ
https://www.waseda.jp/top/access/toyama-campus
詳細な会場案内図は ☞こちら
<プログラム>
2019年6月29日(土)
12:30 開場
13:00~13:15 趣旨説明
13:15~13:55 発表(1)
松井生子
(昭和薬科大学・非常勤講師/東京外国語大学AA研・ジュニア・フェロー)
「その後の「上座仏教との関わり方」-カンボジア南東部の村におけるベトナム人の宗教的実践のこの10年間の変化」
☞発表要旨は、こちら
13:55~14:35 発表(2)
東 佳史(立命館大学・教授)
「プノンペンの配車アプリドライバー達-2018-9の事前調査から」
☞発表要旨は、こちら
14:35~15:15 発表(3)
矢倉研二郎(阪南大学経済学部・教授)
「カンボジア稲作におけるコンバインの急速な普及-その要因と請負業者にとっての帰結」
☞発表要旨は、こちら
15:15~15:30 休憩
15:30~16:10 発表(4)
Hay Chanthol
(University of Battambang & Graduate School of Public Policy, University of Tokyo)
“Return to education and labor market in Cambodia: evidence form labor force survey 2012”
☞発表要旨は、こちら
16:10~16:50 発表(5)
高田知仁(サイアム大学・タイ日文化研究センター長)
「ラオスで見つかったクメール様式の仏像-ルアンプラバーンを中心として」
☞発表要旨は、こちら
16:50~17:30 発表(6)
井上 航(国立民族学博物館・外来研究員)
「生態学的にみたブラウクルン語の表出的な言葉」
☞発表要旨は、こちら
17:30~17:45 総合討論
18:00~ 懇親会
2019年6月30日(日)
9:30 開場
10:00~10:40 発表(7)
Sa Kimleng
(Graduate School of Public Policy (International Program), University of Tokyo)
“Climate Vulnerability in Cambodia: A case study in Koh Kong Province”
☞発表要旨は、こちら
10:40~11:20 発表(8)
小坂井真季
(東京大学大学院 新領域創成科学研究科国際協力学専攻博士課程単位取得満期退学)
「レジデンシャル・ケアをめぐるカンボジア政府の政策に関する考察-国連子どもの権利委員会文書から」
☞発表要旨は、こちら
11:20~12:20 休憩
12:20~13:20 発表(9) ポスターセッション
宮城県仙台二華高等学校
☞発表要旨は、こちら
9-1 佐藤涼香
「トンレサップ湖における水上集落への雨樋設置と住民の意識の変化」
9-2 齊藤未宇
「トンレサップ湖水上集落の雨水集積システムの改善」
9-3 馬場彩花
「バイオトイレの普及においた有機堆肥の抵抗感と情報格差の関係性について」
9-4 丸山千智
「カンボジアの貧困家庭への新規設置に適したトイレの形式は何か」
9-5 齋藤萌恵
「カンボジアにおける身繕い習慣の有無と日本との差異について」
13:20~14:00 発表(10)
Pichsovann CHHIM
(Asia Public Policy Program (APPP), Hitotsubashi University)
“Taxes, Expenditures and Economic Growth in Lower Income Countries: Panel Data Analysis”
☞発表要旨は、こちら
以上
会場:
6月29日(土)早稲田大学戸山キャンパス 33号館16階 第10会議室
6月30日(日)早稲田大学戸山キャンパス 39号館1階 考古学研究室
JR山手線 高田馬場駅から徒歩20分
西武新宿線 高田馬場駅から徒歩20分
地下鉄東京メトロ東西線 早稲田駅から徒歩3分
地下鉄東京メトロ副都心線 西早稲田駅から徒歩12分
アクセスマップ
https://www.waseda.jp/top/access/toyama-campus
詳細な会場案内図は ☞こちら
<プログラム>
2019年6月29日(土)
12:30 開場
13:00~13:15 趣旨説明
13:15~13:55 発表(1)
松井生子
(昭和薬科大学・非常勤講師/東京外国語大学AA研・ジュニア・フェロー)
「その後の「上座仏教との関わり方」-カンボジア南東部の村におけるベトナム人の宗教的実践のこの10年間の変化」
☞発表要旨は、こちら
13:55~14:35 発表(2)
東 佳史(立命館大学・教授)
「プノンペンの配車アプリドライバー達-2018-9の事前調査から」
☞発表要旨は、こちら
14:35~15:15 発表(3)
矢倉研二郎(阪南大学経済学部・教授)
「カンボジア稲作におけるコンバインの急速な普及-その要因と請負業者にとっての帰結」
☞発表要旨は、こちら
15:15~15:30 休憩
15:30~16:10 発表(4)
Hay Chanthol
(University of Battambang & Graduate School of Public Policy, University of Tokyo)
“Return to education and labor market in Cambodia: evidence form labor force survey 2012”
☞発表要旨は、こちら
16:10~16:50 発表(5)
高田知仁(サイアム大学・タイ日文化研究センター長)
「ラオスで見つかったクメール様式の仏像-ルアンプラバーンを中心として」
☞発表要旨は、こちら
16:50~17:30 発表(6)
井上 航(国立民族学博物館・外来研究員)
「生態学的にみたブラウクルン語の表出的な言葉」
☞発表要旨は、こちら
17:30~17:45 総合討論
18:00~ 懇親会
2019年6月30日(日)
9:30 開場
10:00~10:40 発表(7)
Sa Kimleng
(Graduate School of Public Policy (International Program), University of Tokyo)
“Climate Vulnerability in Cambodia: A case study in Koh Kong Province”
☞発表要旨は、こちら
10:40~11:20 発表(8)
小坂井真季
(東京大学大学院 新領域創成科学研究科国際協力学専攻博士課程単位取得満期退学)
「レジデンシャル・ケアをめぐるカンボジア政府の政策に関する考察-国連子どもの権利委員会文書から」
☞発表要旨は、こちら
11:20~12:20 休憩
12:20~13:20 発表(9) ポスターセッション
宮城県仙台二華高等学校
☞発表要旨は、こちら
9-1 佐藤涼香
「トンレサップ湖における水上集落への雨樋設置と住民の意識の変化」
9-2 齊藤未宇
「トンレサップ湖水上集落の雨水集積システムの改善」
9-3 馬場彩花
「バイオトイレの普及においた有機堆肥の抵抗感と情報格差の関係性について」
9-4 丸山千智
「カンボジアの貧困家庭への新規設置に適したトイレの形式は何か」
9-5 齋藤萌恵
「カンボジアにおける身繕い習慣の有無と日本との差異について」
13:20~14:00 発表(10)
Pichsovann CHHIM
(Asia Public Policy Program (APPP), Hitotsubashi University)
“Taxes, Expenditures and Economic Growth in Lower Income Countries: Panel Data Analysis”
☞発表要旨は、こちら
以上
6/29 発表要旨(1)
松井生子 Matsui Naruko
(昭和薬科大学・非常勤講師/東京外国語大学AA研・ジュニアフェロー)
「その後の「上座仏教との関わり方」-カンボジア南東部の村におけるベトナム人の宗教的実践のこの10年間の変化」
Matsui Naruko
"Vietnamese Participation in Theravada Buddhist Rituals: Changes in a Cambodian Village for the Past Decade"
報告者はプレイ・ヴェン州ピアム・チョウ郡の村での2005年から2010年までのフィールドワークをもとに、2011年の日本カンボジア研究会にて「上座仏教との関わり方」というタイトルで、調査村のベトナム人定住者の宗教的実践と民族間関係についての報告をおこなった。道教や儒教の要素が入った大乗仏教を信仰し、祖先祭祀を中心とした宗教的実践をおこなうベトナム人の村人の多くは、当時、彼らがクメール人の宗教と見做す上座仏教に対し距離を置いていた。しかしその後、調査村ではさまざまな変化が生じている。ベトナム人の主たる宗教的実践が祖先祭祀であることに変わりはないが、上座仏教寺院の儀礼に参加するベトナム人が徐々に増加し、上座仏教は彼らにとってより身近なものとなりつつある。本報告では、現在のベトナム人の「上座仏教との関わり方」を取り上げ、過去10年の変化の様相とその背景について考察したい。
(昭和薬科大学・非常勤講師/東京外国語大学AA研・ジュニアフェロー)
「その後の「上座仏教との関わり方」-カンボジア南東部の村におけるベトナム人の宗教的実践のこの10年間の変化」
Matsui Naruko
"Vietnamese Participation in Theravada Buddhist Rituals: Changes in a Cambodian Village for the Past Decade"
報告者はプレイ・ヴェン州ピアム・チョウ郡の村での2005年から2010年までのフィールドワークをもとに、2011年の日本カンボジア研究会にて「上座仏教との関わり方」というタイトルで、調査村のベトナム人定住者の宗教的実践と民族間関係についての報告をおこなった。道教や儒教の要素が入った大乗仏教を信仰し、祖先祭祀を中心とした宗教的実践をおこなうベトナム人の村人の多くは、当時、彼らがクメール人の宗教と見做す上座仏教に対し距離を置いていた。しかしその後、調査村ではさまざまな変化が生じている。ベトナム人の主たる宗教的実践が祖先祭祀であることに変わりはないが、上座仏教寺院の儀礼に参加するベトナム人が徐々に増加し、上座仏教は彼らにとってより身近なものとなりつつある。本報告では、現在のベトナム人の「上座仏教との関わり方」を取り上げ、過去10年の変化の様相とその背景について考察したい。
6/29 発表要旨(2)
東 佳史(立命館大学・教授)
「プノンペンの配車アプリドライバー達-2018-9の事前調査から」
AZUMA Yoshifumi
"Preliminary Findings on the Dispatch Application Drivers in Phnom Penh 2018-9"
本発表は急激に変化する東南アジア都市交通の主役である配車アプリの運転手を調査対象として、その担い手たちの社会経済背景の一端を明らかにすることを目的とする。急激に拡大する首都 プノンペンの公共交通網は貧弱でかつてはモドドップが庶民の足であったが現在は屋根がある交通手段となってきている。
本発表では、日本人が経営するItusmoという配車アプリの協力を得て4万以上の契約者リストから300名のリストをランダムサンプリング方法を用いて抽出して、10問の基本的な質問を電話調査で行った結果183名のサンプルを得た。調査者としてプノンペン大学の4回生を雇用したためか、拒否率は非常に高く2割以上に達した。
予備調査の結果として興味深いのは運転手達の高学歴である。約半数が高校中退か卒業でありスマホを使いこなす能力があるようである。平均年齢は35才であり、家族を持っている者が97%であった。
今回の予備調査では基礎的な人口学的、社会経済的データを得たが、他国との配車アプリ運転手調査との内容比較とも視野に入れつつ、今後の課題としたい。
「プノンペンの配車アプリドライバー達-2018-9の事前調査から」
AZUMA Yoshifumi
"Preliminary Findings on the Dispatch Application Drivers in Phnom Penh 2018-9"
本発表は急激に変化する東南アジア都市交通の主役である配車アプリの運転手を調査対象として、その担い手たちの社会経済背景の一端を明らかにすることを目的とする。急激に拡大する首都 プノンペンの公共交通網は貧弱でかつてはモドドップが庶民の足であったが現在は屋根がある交通手段となってきている。
本発表では、日本人が経営するItusmoという配車アプリの協力を得て4万以上の契約者リストから300名のリストをランダムサンプリング方法を用いて抽出して、10問の基本的な質問を電話調査で行った結果183名のサンプルを得た。調査者としてプノンペン大学の4回生を雇用したためか、拒否率は非常に高く2割以上に達した。
予備調査の結果として興味深いのは運転手達の高学歴である。約半数が高校中退か卒業でありスマホを使いこなす能力があるようである。平均年齢は35才であり、家族を持っている者が97%であった。
今回の予備調査では基礎的な人口学的、社会経済的データを得たが、他国との配車アプリ運転手調査との内容比較とも視野に入れつつ、今後の課題としたい。
6/29 発表要旨(3)
矢倉研二郎(阪南大学経済学部・教授)
「カンボジア稲作におけるコンバインの急速な普及-その要因と請負業者にとっての帰結」
YAGURA Kenjiro
"Rapid Diffusion of Combine Harvesters in Cambodian Rice Farming: Its Factors and Consequence to Harvesting Service Providers"
近年,農村での人手不足や賃金上昇を背景に,カンボジアでは稲作の機械化が急速に 進行し,とくに請負業者によるコンバインを用いた収穫・脱穀の普及は目覚ましい.本研究は,タケオ州を事例に,コンバインという高額な農業機械への投資を可能とした要因,ならびにその急速な普及が請負業者の経営に及ぼした影響を探った.2018年2・3月にタケオ州で収穫請負業者(計30)を対象に実施した調査から得られたデータを分析した結果,①収穫請負業の非常に高い収益性,②地価上昇を背景とした金融機関からの長期・高額・低金利の融資による資金調達,③ベトナムでの中古品需要の存在が,請負業者のコンバイン購入を可能にしたことが明らかになった.他方で,こうして新規参入が促された結果,業者間の競争が激化し請負料金の低下が進行している.コンバイン購入の資本コストも控除すれば赤字となり,購入資金を借入に依存した請負業者の債務問題が今後続出することが懸念される.
「カンボジア稲作におけるコンバインの急速な普及-その要因と請負業者にとっての帰結」
YAGURA Kenjiro
"Rapid Diffusion of Combine Harvesters in Cambodian Rice Farming: Its Factors and Consequence to Harvesting Service Providers"
近年,農村での人手不足や賃金上昇を背景に,カンボジアでは稲作の機械化が急速に 進行し,とくに請負業者によるコンバインを用いた収穫・脱穀の普及は目覚ましい.本研究は,タケオ州を事例に,コンバインという高額な農業機械への投資を可能とした要因,ならびにその急速な普及が請負業者の経営に及ぼした影響を探った.2018年2・3月にタケオ州で収穫請負業者(計30)を対象に実施した調査から得られたデータを分析した結果,①収穫請負業の非常に高い収益性,②地価上昇を背景とした金融機関からの長期・高額・低金利の融資による資金調達,③ベトナムでの中古品需要の存在が,請負業者のコンバイン購入を可能にしたことが明らかになった.他方で,こうして新規参入が促された結果,業者間の競争が激化し請負料金の低下が進行している.コンバイン購入の資本コストも控除すれば赤字となり,購入資金を借入に依存した請負業者の債務問題が今後続出することが懸念される.
6/29 発表要旨(4)
Hay Chanthol
(University of Battambang & Graduate School of Public Policy, University of Tokyo)
"Return to Education and Labor Market in Cambodia: Evidence form Labor Force Survey 2012"
This paper mainly estimates the returns to education employing the standard Mincerian function using the latest Cambodian labor force survey 2012, where the dependent variable is the natural logarithm of earnings and independent variables include years of schooling or educational attainment and potential experience. The paper also examines the effect of foreign language skills on earnings. This paper is divided into 3 sections. The first section examines Cambodia’s labor markets. The second section explores the econometric model, in particular, Mincerian function to estimate returns to education using the latest labor force survey conducted in 2012. We find that for employed persons with an educational level lower than or equal to grade 12 it is about 3.3 percent; but it is higher for males. The annualized rate of return to education for undergraduate level was approximately 17 percent. Regarding language skill, we find that people who hold a bachelor degree and can speak English can earn more than those who can speak only Khmer language. There is also a significant wage gap between bachelor holders and high school certificate holders at a ratio of 1.9. The third section will explore current education policies in Cambodia.
(University of Battambang & Graduate School of Public Policy, University of Tokyo)
"Return to Education and Labor Market in Cambodia: Evidence form Labor Force Survey 2012"
This paper mainly estimates the returns to education employing the standard Mincerian function using the latest Cambodian labor force survey 2012, where the dependent variable is the natural logarithm of earnings and independent variables include years of schooling or educational attainment and potential experience. The paper also examines the effect of foreign language skills on earnings. This paper is divided into 3 sections. The first section examines Cambodia’s labor markets. The second section explores the econometric model, in particular, Mincerian function to estimate returns to education using the latest labor force survey conducted in 2012. We find that for employed persons with an educational level lower than or equal to grade 12 it is about 3.3 percent; but it is higher for males. The annualized rate of return to education for undergraduate level was approximately 17 percent. Regarding language skill, we find that people who hold a bachelor degree and can speak English can earn more than those who can speak only Khmer language. There is also a significant wage gap between bachelor holders and high school certificate holders at a ratio of 1.9. The third section will explore current education policies in Cambodia.
6/29 発表要旨(5)
高田知仁(サイアム大学・タイ日文化研究センター長)
「ラオスで見つかったクメール様式の仏像-ルアンプラバーンを中心として」
TAKATA Tomohito
"Khmer Style Buddha Statues Found in Laos, Especially Those from Luang Prabang"
クメール王朝が現在のカンボジア領外のどこまで力を及ぼしていたのか、それは政治権力だったのかあるいは文化的影響力のみだったのか議論がある。この様な論点を検討する1ケースとして今回はクメール文化とは縁がないと見られているラオス北部の旧都ルアンプラバーンで見つかったクメール様式の仏像を取り上げ、その様式的な検討とクメール文化流入の経路の推定を行いたい。
ルアンプラバーンでは、クメール様式の仏像が寺院およびロイヤルパレス博物館の収蔵庫にあることが調査によって確認できた。しかしこれらの仏像が本来安置されていたはずの宗教施設つまりクメール式の祠堂建築は見つかっていない。また、ルアンプラバーンではほとんどの仏像が15世紀以降のものと見られ、12世紀に遡るクメール様式の仏像をどう解釈したらいいのだろうか。
以上のような点から、これらのクメール仏の詳細を検討しておくことは重要である。また、ラオス国内でのクメール遺跡の分布など考古学的な情報等についても意見交換ができたらと考えている。
「ラオスで見つかったクメール様式の仏像-ルアンプラバーンを中心として」
TAKATA Tomohito
"Khmer Style Buddha Statues Found in Laos, Especially Those from Luang Prabang"
クメール王朝が現在のカンボジア領外のどこまで力を及ぼしていたのか、それは政治権力だったのかあるいは文化的影響力のみだったのか議論がある。この様な論点を検討する1ケースとして今回はクメール文化とは縁がないと見られているラオス北部の旧都ルアンプラバーンで見つかったクメール様式の仏像を取り上げ、その様式的な検討とクメール文化流入の経路の推定を行いたい。
ルアンプラバーンでは、クメール様式の仏像が寺院およびロイヤルパレス博物館の収蔵庫にあることが調査によって確認できた。しかしこれらの仏像が本来安置されていたはずの宗教施設つまりクメール式の祠堂建築は見つかっていない。また、ルアンプラバーンではほとんどの仏像が15世紀以降のものと見られ、12世紀に遡るクメール様式の仏像をどう解釈したらいいのだろうか。
以上のような点から、これらのクメール仏の詳細を検討しておくことは重要である。また、ラオス国内でのクメール遺跡の分布など考古学的な情報等についても意見交換ができたらと考えている。
6/29 発表要旨(6)
井上 航(国立民族学博物館・外来研究員)
「生態学的にみたブラウクルン語の表出的な言葉」
INOUE Ko
"Ecological Perspective on Expressive Words in Brau-Krung Language"
カンボジアの少数民族クルン人のあいだで話されているブラウクルン語は、同系統のモン・クメール諸語および地域的に近い他系統諸語がそうであるように、表出的な言葉(expressive words: 擬音・擬態語に代表される感覚や感情の表出性が顕著な言葉)が多いように見受けられる。本発表では、環境のもろもろを知覚する身体の視点からブラウクルン語の擬音・擬態語を探った現地調査の結果をもとに、同語の音韻論的な感性という要因と、表出的なフレージングという要因をさらに考慮した発展的な研究が必要であることを述べる。研究の全体的な目標は、クルンの村落にみられる在来的な言葉・声の表現の美学的理解にある。発表者が専攻してきた民族音楽学によるアプローチと、新たに学ぼうとしている言語学的アプローチ(Williamsらの「文法の感性論」: aesthetics of grammarなど)をいかに適切に用いるかというディシプリン上の摸索を抱えながらではあるが、映像・音声データを含む具体的な話例・語例を多く取り上げることに力点をおいた報告としたい。
「生態学的にみたブラウクルン語の表出的な言葉」
INOUE Ko
"Ecological Perspective on Expressive Words in Brau-Krung Language"
カンボジアの少数民族クルン人のあいだで話されているブラウクルン語は、同系統のモン・クメール諸語および地域的に近い他系統諸語がそうであるように、表出的な言葉(expressive words: 擬音・擬態語に代表される感覚や感情の表出性が顕著な言葉)が多いように見受けられる。本発表では、環境のもろもろを知覚する身体の視点からブラウクルン語の擬音・擬態語を探った現地調査の結果をもとに、同語の音韻論的な感性という要因と、表出的なフレージングという要因をさらに考慮した発展的な研究が必要であることを述べる。研究の全体的な目標は、クルンの村落にみられる在来的な言葉・声の表現の美学的理解にある。発表者が専攻してきた民族音楽学によるアプローチと、新たに学ぼうとしている言語学的アプローチ(Williamsらの「文法の感性論」: aesthetics of grammarなど)をいかに適切に用いるかというディシプリン上の摸索を抱えながらではあるが、映像・音声データを含む具体的な話例・語例を多く取り上げることに力点をおいた報告としたい。
6/30 発表要旨(7)
Sa Kimleng
(Graduate School of Public Policy (International Program), University of Tokyo)
"Climate Vulnerability in Cambodia: A Case Study in Koh Kong Province"
This study investigates an urban climate vulnerability in Cambodia by constructing an index to compare three different communes, Smach Meanchey, Daun Tong, and Steong Veng, located in the Khemarak Phoumin district, Koh Kong province. It is found that Daun Tong commune is the most vulnerable location among the three communes, followed by Steong Veng. Besides, vulnerability as Expected Poverty (VEP) is used to measure the vulnerability to poverty, that is, the probability of a household income to fall below the poverty line, as it captures the impact of shocks can be conducted in the cross-sectional study. It applies two poverty thresholds: the national poverty line after taking into account the inflation rate and the international poverty line defined by the World Bank, to look into its sensitivity. By using the national poverty line, the study reveals that more than one-fourth of households are vulnerable to poverty, while the international poverty threshold shows that approximately one-third of households are in peril. With low levels of income inequality, households are not highly sensitive to poverty; however, both poverty thresholds point out that the current urban poor households are more vulnerable than non-poor families.
(Graduate School of Public Policy (International Program), University of Tokyo)
"Climate Vulnerability in Cambodia: A Case Study in Koh Kong Province"
This study investigates an urban climate vulnerability in Cambodia by constructing an index to compare three different communes, Smach Meanchey, Daun Tong, and Steong Veng, located in the Khemarak Phoumin district, Koh Kong province. It is found that Daun Tong commune is the most vulnerable location among the three communes, followed by Steong Veng. Besides, vulnerability as Expected Poverty (VEP) is used to measure the vulnerability to poverty, that is, the probability of a household income to fall below the poverty line, as it captures the impact of shocks can be conducted in the cross-sectional study. It applies two poverty thresholds: the national poverty line after taking into account the inflation rate and the international poverty line defined by the World Bank, to look into its sensitivity. By using the national poverty line, the study reveals that more than one-fourth of households are vulnerable to poverty, while the international poverty threshold shows that approximately one-third of households are in peril. With low levels of income inequality, households are not highly sensitive to poverty; however, both poverty thresholds point out that the current urban poor households are more vulnerable than non-poor families.
6/30 発表要旨(8)
小坂井真季
(東京大学大学院 新領域創成科学研究科国際協力学専攻博士課程単位取得満期退学)
「レジデンシャル・ケアをめぐるカンボジア政府の政策に関する考察-国連子どもの権利委員会文書から」
KOZAKAI Maki
"A Study of Residential Care Policy in Cambodia: Focusing on UN Documents of Committee on the Rights of the Child"
本研究は社会的養護をめぐる政策を事例にし、どのようにカンボジア政府がレジデンシャル・ケア制度の整備を進めていったのかを明らかにすることを目的とする。国連子どもの権利委員会(CRC)文書の分析を通じて、カンボジア政府が子どもの権利保護を社会的養護政策に取り入れていった過程を検証する。本研究の結果、CRC勧告を受け入れつつ独自のレジデンシャル・ケア関連政策の整備を行った過程が明らかになった。その一方で、家庭に問題がある子どもに対する対策がなされておらず脆弱な子どもたちが発生する原因そのものが隠蔽されている可能性があること、及び国際的な脱施設化の流れをそのまま受け入れ、レジデンシャル・ケア施設がカンボジアにおいてこれまで果たしてきた役割の評価を行っていないという2つの問題点が浮かび上がった。内戦後にレジデンシャル・ケア施設が果たしてきた役割を評価し、カンボジアでの施設ケアの不適切な点及び適正化のために必要な点を議論する試みに意義があると考える。
(東京大学大学院 新領域創成科学研究科国際協力学専攻博士課程単位取得満期退学)
「レジデンシャル・ケアをめぐるカンボジア政府の政策に関する考察-国連子どもの権利委員会文書から」
KOZAKAI Maki
"A Study of Residential Care Policy in Cambodia: Focusing on UN Documents of Committee on the Rights of the Child"
本研究は社会的養護をめぐる政策を事例にし、どのようにカンボジア政府がレジデンシャル・ケア制度の整備を進めていったのかを明らかにすることを目的とする。国連子どもの権利委員会(CRC)文書の分析を通じて、カンボジア政府が子どもの権利保護を社会的養護政策に取り入れていった過程を検証する。本研究の結果、CRC勧告を受け入れつつ独自のレジデンシャル・ケア関連政策の整備を行った過程が明らかになった。その一方で、家庭に問題がある子どもに対する対策がなされておらず脆弱な子どもたちが発生する原因そのものが隠蔽されている可能性があること、及び国際的な脱施設化の流れをそのまま受け入れ、レジデンシャル・ケア施設がカンボジアにおいてこれまで果たしてきた役割の評価を行っていないという2つの問題点が浮かび上がった。内戦後にレジデンシャル・ケア施設が果たしてきた役割を評価し、カンボジアでの施設ケアの不適切な点及び適正化のために必要な点を議論する試みに意義があると考える。
6/30 発表要旨(9)
<ポスターセッション>宮城県仙台二華高等学校
Poster Presentations by the Students of Miyagi Prefectural Sendai Nika High School
9-1 佐藤涼香(宮城県仙台二華高等学校)
「トンレサップ湖における水上集落への雨樋設置と住民の意識の変化」
"Setting Rain Gutter in the Water Settlement and Changing Residents‘ Awareness in Tonle Sap
Lake"
カンボジアのトンレサップ湖に存在する水上集落では、下水道が整備されていないため、ボトルウォーターや湖水を利用して生活している。しかし、生活排水や排泄物を湖に垂れ流しにしているため、湖水使用による腹痛、下痢の症状が見られ、それらの症状による医療費や、ボトルウォーターの購入費への負担意識が大きいことが先行研究で判明しており、雨樋を設置して雨水を使うことでそれらを改善する活動を行っている。昨年度カンボジアに行き雨樋を作成した際、実費と理想額に40$程の差があることが分かった。そこで、本研究では、雨樋設置による意識の変化を観察し、住民に雨樋設置を積極的に考えてもらうことと、雨樋設置による利益の明確化を目的として活動を行った。その結果、雨水はそのままの状態では飲用できないが、飲用できれば4か月分のボトルウォーター代で雨樋費用を賄うことができると分かった。また、雨樋設置後に雨樋設置の理想額が10$引きあがったことから、雨樋に有用性を感じたことも分かった。
9-2 齊藤未宇(宮城県仙台二華高等学校)
「トンレサップ湖水上集落の雨水集積システムの改善」
"Improvement of the Rain Gutter System on Tonle Sap Lake"
私はトンレサップ湖の水上集落が抱える衛生的かつ経済的な水問題を、雨水を集めることによって解決しようというプロジェクトの一環で、従来の雨水集積システムを見直す研究をしている。最終的な目標は雨水集積システムを現地に普及させ、現地の人達の力で水問題を解決することである。そのため、設置の簡易化と費用軽減が重要の課題である。
昨年度に我々が実際に現地を訪れ設置した雨水集積システムのモデルは、180度にカットされた2メートル塩ビ管を2本繋ぎ合わせて雨樋を作り、それにL字管・縮小管・ビニール管(ホース)を繋いで20リットルのタンクに雨水を集めるものだ。この設置には約45ドルかかっており、工具も使用したため、改善すべき点がまだ多い。現在はタンクを無料のボトルに変え、ビニール管をボトルに繋ぐ研究に取り組んでいる。今後は工具の使用を抑える方法や、集めた水の水質について研究を進めている。
9-3 馬場彩花(宮城県仙台二華高等学校)
「バイオトイレの普及においた有機堆肥の抵抗感と情報格差の関係性について
"Relationship between the Sense of Resistance against Organic Compost and the Information Gap"
カンボジアシェムリアップ州の農村、アンコール・クラウ村では上下水道の整備がされておらず、衛生的なトイレの環境が整っていない。村内のトイレ保有家庭は全体の4割に留まっており、残りの住民は野外排泄を行っている。それらの不衛生なトイレ環境が感染症や下痢などの健康被害を引き起こしている可能性が高いと考えられる。
そのため本校では水を使わずに排泄物を分解できるバイオトイレを現地に普及させ、健康被害を縮小させようとしている。
普及には現地住民の理解が必要不可欠である。バイオトイレで処理された排泄物は堆肥として使用することができるため、現地の人が人糞の堆肥を農業に用いることに対して抵抗感を持っているのか、また都市部と農村部間で起こる情報格差によってその抵抗感は変化するのかというテーマで研究を行う。現地住民の生活状況、有機堆肥に対する抵抗感の有無と情報提供後の抵抗感の有無の変化についてアンケート調査を行い検証する。
9-4 丸山千智(宮城県仙台二華高等学校)
「カンボジアの貧困家庭への新規設置に適したトイレの形式は何か」
"Which Kind of Toilet is Suitable for Installing in Poor Houses in Cambodia?"
カンボジアには上下水道が整備されておらず、また貧困のため家庭にトイレがなく野外排泄を行っている例もある。そこで、水や電気を使わずに排泄物を衛生的に処理するトイレをカンボジアの貧困家庭に設置しようと考えた。バイオトイレは、排せつ物を好気性微生物によって分解処理するトイレであるが、カンボジアの人々は排泄後に水でお尻を流す習慣があり、水分量が多くなってしまい処理が適切に行えないのではないかと考えた。ほかに、し尿と便を別々に集め、太陽熱によって便を乾燥させて処理するエコサントイレ(エコロジカル・サニテーショントイレ)が貧困地域に導入されている。従来型のバイオトイレと違って、排せつ物処理の際に攪拌を必要としないエコサントイレのほうが途上国への設置に適しているのではないかと考え比較研究を行った。安全性・利用時の手間・管理の手間・設置費用・維持費用の5つの観点で論文調査による比較とインタビュー調査による検討を行った。
9-5 齋藤萌恵(宮城県仙台二華高等学校)
「カンボジアにおける身繕い習慣の有無と日本との差異について」
"On the Existence of Personal Habits in Cambodia and the Difference from Japan"
化粧習慣と人の心理との結びつきについて研究する学問が化粧心理学である。私は「化粧」と「心理」という2要素について研究するこの学問に関心を持ったとともに、実際に現地を訪問する機会があったカンボジアには日本同様の身だしなみ習慣が存在しているのか、また日本と比べた時どのような差があるのかについて調べたいとテーマを設定するに至った。
研究では主に日本とカンボジアの中学生を対象としたアンケート調査の結果を使用し、補足としてカンボジアの女性を対象にインタビュー調査も実施した。結果として、カンボジアの身づくろい習慣は「洗顔・入浴」「健康状態の認識」「フレグランス使用」などについては日本と同様の内容が認められたのに対し、「日焼けへの忌避感」や特に男子における「美容への関心」には両国で大きな差がみられた。
今後の方針としては調査項目をさらに絞り、より深い内容となるように吟味していく予定である。また、先行研究を収集し研究意義や方法などをより精査していきたい。
Poster Presentations by the Students of Miyagi Prefectural Sendai Nika High School
9-1 佐藤涼香(宮城県仙台二華高等学校)
「トンレサップ湖における水上集落への雨樋設置と住民の意識の変化」
"Setting Rain Gutter in the Water Settlement and Changing Residents‘ Awareness in Tonle Sap
Lake"
カンボジアのトンレサップ湖に存在する水上集落では、下水道が整備されていないため、ボトルウォーターや湖水を利用して生活している。しかし、生活排水や排泄物を湖に垂れ流しにしているため、湖水使用による腹痛、下痢の症状が見られ、それらの症状による医療費や、ボトルウォーターの購入費への負担意識が大きいことが先行研究で判明しており、雨樋を設置して雨水を使うことでそれらを改善する活動を行っている。昨年度カンボジアに行き雨樋を作成した際、実費と理想額に40$程の差があることが分かった。そこで、本研究では、雨樋設置による意識の変化を観察し、住民に雨樋設置を積極的に考えてもらうことと、雨樋設置による利益の明確化を目的として活動を行った。その結果、雨水はそのままの状態では飲用できないが、飲用できれば4か月分のボトルウォーター代で雨樋費用を賄うことができると分かった。また、雨樋設置後に雨樋設置の理想額が10$引きあがったことから、雨樋に有用性を感じたことも分かった。
9-2 齊藤未宇(宮城県仙台二華高等学校)
「トンレサップ湖水上集落の雨水集積システムの改善」
"Improvement of the Rain Gutter System on Tonle Sap Lake"
私はトンレサップ湖の水上集落が抱える衛生的かつ経済的な水問題を、雨水を集めることによって解決しようというプロジェクトの一環で、従来の雨水集積システムを見直す研究をしている。最終的な目標は雨水集積システムを現地に普及させ、現地の人達の力で水問題を解決することである。そのため、設置の簡易化と費用軽減が重要の課題である。
昨年度に我々が実際に現地を訪れ設置した雨水集積システムのモデルは、180度にカットされた2メートル塩ビ管を2本繋ぎ合わせて雨樋を作り、それにL字管・縮小管・ビニール管(ホース)を繋いで20リットルのタンクに雨水を集めるものだ。この設置には約45ドルかかっており、工具も使用したため、改善すべき点がまだ多い。現在はタンクを無料のボトルに変え、ビニール管をボトルに繋ぐ研究に取り組んでいる。今後は工具の使用を抑える方法や、集めた水の水質について研究を進めている。
9-3 馬場彩花(宮城県仙台二華高等学校)
「バイオトイレの普及においた有機堆肥の抵抗感と情報格差の関係性について
"Relationship between the Sense of Resistance against Organic Compost and the Information Gap"
カンボジアシェムリアップ州の農村、アンコール・クラウ村では上下水道の整備がされておらず、衛生的なトイレの環境が整っていない。村内のトイレ保有家庭は全体の4割に留まっており、残りの住民は野外排泄を行っている。それらの不衛生なトイレ環境が感染症や下痢などの健康被害を引き起こしている可能性が高いと考えられる。
そのため本校では水を使わずに排泄物を分解できるバイオトイレを現地に普及させ、健康被害を縮小させようとしている。
普及には現地住民の理解が必要不可欠である。バイオトイレで処理された排泄物は堆肥として使用することができるため、現地の人が人糞の堆肥を農業に用いることに対して抵抗感を持っているのか、また都市部と農村部間で起こる情報格差によってその抵抗感は変化するのかというテーマで研究を行う。現地住民の生活状況、有機堆肥に対する抵抗感の有無と情報提供後の抵抗感の有無の変化についてアンケート調査を行い検証する。
9-4 丸山千智(宮城県仙台二華高等学校)
「カンボジアの貧困家庭への新規設置に適したトイレの形式は何か」
"Which Kind of Toilet is Suitable for Installing in Poor Houses in Cambodia?"
カンボジアには上下水道が整備されておらず、また貧困のため家庭にトイレがなく野外排泄を行っている例もある。そこで、水や電気を使わずに排泄物を衛生的に処理するトイレをカンボジアの貧困家庭に設置しようと考えた。バイオトイレは、排せつ物を好気性微生物によって分解処理するトイレであるが、カンボジアの人々は排泄後に水でお尻を流す習慣があり、水分量が多くなってしまい処理が適切に行えないのではないかと考えた。ほかに、し尿と便を別々に集め、太陽熱によって便を乾燥させて処理するエコサントイレ(エコロジカル・サニテーショントイレ)が貧困地域に導入されている。従来型のバイオトイレと違って、排せつ物処理の際に攪拌を必要としないエコサントイレのほうが途上国への設置に適しているのではないかと考え比較研究を行った。安全性・利用時の手間・管理の手間・設置費用・維持費用の5つの観点で論文調査による比較とインタビュー調査による検討を行った。
9-5 齋藤萌恵(宮城県仙台二華高等学校)
「カンボジアにおける身繕い習慣の有無と日本との差異について」
"On the Existence of Personal Habits in Cambodia and the Difference from Japan"
化粧習慣と人の心理との結びつきについて研究する学問が化粧心理学である。私は「化粧」と「心理」という2要素について研究するこの学問に関心を持ったとともに、実際に現地を訪問する機会があったカンボジアには日本同様の身だしなみ習慣が存在しているのか、また日本と比べた時どのような差があるのかについて調べたいとテーマを設定するに至った。
研究では主に日本とカンボジアの中学生を対象としたアンケート調査の結果を使用し、補足としてカンボジアの女性を対象にインタビュー調査も実施した。結果として、カンボジアの身づくろい習慣は「洗顔・入浴」「健康状態の認識」「フレグランス使用」などについては日本と同様の内容が認められたのに対し、「日焼けへの忌避感」や特に男子における「美容への関心」には両国で大きな差がみられた。
今後の方針としては調査項目をさらに絞り、より深い内容となるように吟味していく予定である。また、先行研究を収集し研究意義や方法などをより精査していきたい。
6/30 発表要旨(10)
Pichsovann CHHIM
(Asia Public Policy Program (APPP), Hitotsubashi University)
"Taxes, Expenditures and Economic Growth in Lower Income Countries: Panel Data Analysis"
As most low-income countries are experiencing high fiscal deficit, fiscal consolidation is essential to adhere to fiscal sustainability. However, consolidating government balance sheet is puzzling amid macroeconomic stability. This paper examines the empirical relationship between taxes and expenditures decomposition on economic growth in 21 lower-income countries. Gupta Clements, Baldacci and Mulas-Granados (2005) study the impacts of fiscal consolidation but they restricted taxes in their study. Whereas Nantob (2014) studies only impacts of taxes on economic growth. This paper combines both taxes and government expenditures into one specification. Having this combination, findings would be diving into direct effects of both taxes and expenditure in growth. Fixed Effect estimator is applied along with sensitivity analysis of robust OLS, 2 Stage Least Square (2SLS) and Fixed Effect 2SLS. Empirical findings suggest that a) government size does matter to growth b) public spending on gross capital formation has substantial impact on economic growth with high statistical significance c) government expenditure on goods and services and subsidies exhibits positive impact, regardless strong statistical evidence. While d) interest payment has a robustly negative relationship. Moreover, revenue from the tax on goods and service appears to be a potential resource. Revenue from tax on income, profit, and capital gain, and international trade taxes hamper growth.
(Asia Public Policy Program (APPP), Hitotsubashi University)
"Taxes, Expenditures and Economic Growth in Lower Income Countries: Panel Data Analysis"
As most low-income countries are experiencing high fiscal deficit, fiscal consolidation is essential to adhere to fiscal sustainability. However, consolidating government balance sheet is puzzling amid macroeconomic stability. This paper examines the empirical relationship between taxes and expenditures decomposition on economic growth in 21 lower-income countries. Gupta Clements, Baldacci and Mulas-Granados (2005) study the impacts of fiscal consolidation but they restricted taxes in their study. Whereas Nantob (2014) studies only impacts of taxes on economic growth. This paper combines both taxes and government expenditures into one specification. Having this combination, findings would be diving into direct effects of both taxes and expenditure in growth. Fixed Effect estimator is applied along with sensitivity analysis of robust OLS, 2 Stage Least Square (2SLS) and Fixed Effect 2SLS. Empirical findings suggest that a) government size does matter to growth b) public spending on gross capital formation has substantial impact on economic growth with high statistical significance c) government expenditure on goods and services and subsidies exhibits positive impact, regardless strong statistical evidence. While d) interest payment has a robustly negative relationship. Moreover, revenue from the tax on goods and service appears to be a potential resource. Revenue from tax on income, profit, and capital gain, and international trade taxes hamper growth.
7/20-21 東南アジア学会 研究集会(九州地区特別例会)
下記の通り、来たる7月20~21日に、立命館アジア太平洋大学にて、研究集会(九州地区特別例会)を開催することになりました。多くのみなさまに、ご参集いただければと思います。
なお、報告タイトルは、まだいずれも仮題ではありますが、航空券や宿の手配の便宜を考え、現段階でのプログラムをお伝えすることにいたしました。別府は近年、観光客が戻ってきており、週末は宿の予約が難しい場合もあります。お早めにご予約いただくことをお勧めいたします。
確定版の報告タイトル、要旨などは、6月後半にお伝えする予定です。
---------------- 記 ------------------
東南アジア学会、研究集会(九州地区特別例会)プログラム(第一報)
1. 期日
2019年7月20日(土)、21日(日)
なお、この研究集会は、立命館アジア太平洋大学開学20周年事業の一環として、同学ムスリム研究センター(http://www.apu.ac.jp/rcaps/rcrcmc/news.html/)との共同開催です。
2. 会場(初日と2日目で、会場が異なる点にご留意ください)
7月20日(土):APUプラザ、2階、セミナールームAおよびB
〒874-0926 大分県別府市京町11
アクセス:http://oibc.jp/access/
7月21日(日):立命館アジア太平洋大学、B棟2階、RCAPS-A会議室
〒874-8577 大分県別府市十文字原1-1
アクセス:http://www.apu.ac.jp/home/contents/access.html/
3. テーマ:「身体のポリティクスとポエティクス」
本学会の会員による専門は、おしなべてヒトを扱う学問であると思われる。ヒトを対象にヒトが研究を進める以上、身体をめぐる議論は不可欠なテーマとなるだろう。すなわち、調査対象者の身体性が考察の対象となるのはもちろん、調査者もまた身体をもってフィールドと関わらざるをえない。さらに、東南アジアにおける(もしくは東南アジアに関する)インターネット環境の整備を考慮に入れれば、SNSを通じた調査者と調査対象者のつながりや、Google Mapsのストリート・ビューを利用した疑似的な調査地の踏査など、ヴァーチャルな身体や空間も議論の俎上に載せることが可能と考えられる。
このように「身体」を広く解釈するからには、「ポリティクス」および「ポエティクス」もまた、広く解釈する必要があるだろう。つまり、政治家や官僚の言動といった狭義の政治のみならず、日常にひそむ政治もまた、「ポリティクス」として分析しうる。そして「ポエティクス」も、詩や芸術だけでなく、文化全般の分析に当てはめうる語と考える。
以上のように「身体のポリティクスとポエティクス」を広義に解釈することにより、広範にわたる議論の場となる研究集会を開催したい。
4. 日程案(報告タイトルは、いずれも仮題)
7月20日(土)
14:00-14:15 開会の辞/趣旨説明
14:15-15:15 報告1
井口由布(立命館アジア太平洋大学)
「身体のポリティクスと「女性器切除」:マレーシアの事例から考える」
15:15-16:15 報告2
大形里美(九州国際大学)
「インドネシアにおける女子割礼の伝統と現代」
16:15-16:30 休憩
16:30-17:30 報告3
宮地歌織(九州工業大学)
「変容する女子割礼/女性性器切除:ケニア西部の農村部における事例より」
17:30-18:30 報告4 秋保さやか
(明治大学研究知財戦略機構島嶼文化研究所客員研究員、国立民族学博物館外来研究員)
「カンボジア農村における女性のライフコースの変容:月経経験に着目して」
19:30頃~ 懇親会(会場は、別府市街地の飲食店を予定)
7月21日(日)
9:45-10:45 報告5
伊賀司(京都大学東南アジア地域研究研究所連携講師)
「マレーシアにおけるセクシュアリティ・ポリティクスの誕生と変容?:矯正と予防に動く国家、スケープゴートにされ続ける性的マイノリティ」
10:45-11:45 報告6
日向伸介(大阪大学)
「冷戦期タイの都市空間とセクシュアリティ:パッタヤーを事例として」
11:45-12:00 閉会の辞
5. お問い合わせ先
立命館アジア太平洋大学アジア太平洋学部
笹川秀夫 sasagawa[atmark]apu.ac.jp
なお、報告タイトルは、まだいずれも仮題ではありますが、航空券や宿の手配の便宜を考え、現段階でのプログラムをお伝えすることにいたしました。別府は近年、観光客が戻ってきており、週末は宿の予約が難しい場合もあります。お早めにご予約いただくことをお勧めいたします。
確定版の報告タイトル、要旨などは、6月後半にお伝えする予定です。
---------------- 記 ------------------
東南アジア学会、研究集会(九州地区特別例会)プログラム(第一報)
1. 期日
2019年7月20日(土)、21日(日)
なお、この研究集会は、立命館アジア太平洋大学開学20周年事業の一環として、同学ムスリム研究センター(http://www.apu.ac.jp/rcaps/rcrcmc/news.html/)との共同開催です。
2. 会場(初日と2日目で、会場が異なる点にご留意ください)
7月20日(土):APUプラザ、2階、セミナールームAおよびB
〒874-0926 大分県別府市京町11
アクセス:http://oibc.jp/access/
7月21日(日):立命館アジア太平洋大学、B棟2階、RCAPS-A会議室
〒874-8577 大分県別府市十文字原1-1
アクセス:http://www.apu.ac.jp/home/contents/access.html/
3. テーマ:「身体のポリティクスとポエティクス」
本学会の会員による専門は、おしなべてヒトを扱う学問であると思われる。ヒトを対象にヒトが研究を進める以上、身体をめぐる議論は不可欠なテーマとなるだろう。すなわち、調査対象者の身体性が考察の対象となるのはもちろん、調査者もまた身体をもってフィールドと関わらざるをえない。さらに、東南アジアにおける(もしくは東南アジアに関する)インターネット環境の整備を考慮に入れれば、SNSを通じた調査者と調査対象者のつながりや、Google Mapsのストリート・ビューを利用した疑似的な調査地の踏査など、ヴァーチャルな身体や空間も議論の俎上に載せることが可能と考えられる。
このように「身体」を広く解釈するからには、「ポリティクス」および「ポエティクス」もまた、広く解釈する必要があるだろう。つまり、政治家や官僚の言動といった狭義の政治のみならず、日常にひそむ政治もまた、「ポリティクス」として分析しうる。そして「ポエティクス」も、詩や芸術だけでなく、文化全般の分析に当てはめうる語と考える。
以上のように「身体のポリティクスとポエティクス」を広義に解釈することにより、広範にわたる議論の場となる研究集会を開催したい。
4. 日程案(報告タイトルは、いずれも仮題)
7月20日(土)
14:00-14:15 開会の辞/趣旨説明
14:15-15:15 報告1
井口由布(立命館アジア太平洋大学)
「身体のポリティクスと「女性器切除」:マレーシアの事例から考える」
15:15-16:15 報告2
大形里美(九州国際大学)
「インドネシアにおける女子割礼の伝統と現代」
16:15-16:30 休憩
16:30-17:30 報告3
宮地歌織(九州工業大学)
「変容する女子割礼/女性性器切除:ケニア西部の農村部における事例より」
17:30-18:30 報告4 秋保さやか
(明治大学研究知財戦略機構島嶼文化研究所客員研究員、国立民族学博物館外来研究員)
「カンボジア農村における女性のライフコースの変容:月経経験に着目して」
19:30頃~ 懇親会(会場は、別府市街地の飲食店を予定)
7月21日(日)
9:45-10:45 報告5
伊賀司(京都大学東南アジア地域研究研究所連携講師)
「マレーシアにおけるセクシュアリティ・ポリティクスの誕生と変容?:矯正と予防に動く国家、スケープゴートにされ続ける性的マイノリティ」
10:45-11:45 報告6
日向伸介(大阪大学)
「冷戦期タイの都市空間とセクシュアリティ:パッタヤーを事例として」
11:45-12:00 閉会の辞
5. お問い合わせ先
立命館アジア太平洋大学アジア太平洋学部
笹川秀夫 sasagawa[atmark]apu.ac.jp
2019年6月9日
6/29-30 第13回日本カンボジア研究会プログラム
6/29-30 第13回日本カンボジア研究会プログラム
期日: 2019年6月29日(土)および30日(日)
会場:
6月29日(土)早稲田大学戸山キャンパス 33号館16階 第10会議室
6月30日(日)早稲田大学戸山キャンパス 39号館1階 考古学研究室
JR山手線 高田馬場駅から徒歩20分
西武新宿線 高田馬場駅から徒歩20分
地下鉄東京メトロ東西線 早稲田駅から徒歩3分
地下鉄東京メトロ副都心線 西早稲田駅から徒歩12分
アクセスマップ
https://www.waseda.jp/top/access/toyama-campus
詳細な会場案内図は ☞こちら
<プログラム>
2019年6月29日(土)
12:30 開場
13:00~13:15 趣旨説明
13:15~13:55 発表(1)
松井生子
(昭和薬科大学・非常勤講師/東京外国語大学AA研・ジュニア・フェロー)
「その後の「上座仏教との関わり方」-カンボジア南東部の村におけるベトナム人の宗教的実践のこの10年間の変化」
13:55~14:35 発表(2)
東 佳史(立命館大学・教授)
「プノンペンの配車アプリドライバー達-2018-9の事前調査から」
14:35~15:15 発表(3)
矢倉研二郎(阪南大学経済学部・教授)
「カンボジア稲作におけるコンバインの急速な普及-その要因と請負業者にとっての帰結」
15:15~15:30 休憩
15:30~16:10 発表(4)
Hay Chanthol
(University of Battambang & Graduate School of Public Policy, University of Tokyo)
“Return to education and labor market in Cambodia: evidence form labor force survey 2012”
16:10~16:50 発表(5)
高田知仁(サイアム大学・タイ日文化研究センター長)
「ラオスで見つかったクメール様式の仏像-ルアンプラバーンを中心として」
16:50~17:30 発表(6)
井上 航(国立民族学博物館・外来研究員)
「生態学的にみたブラウクルン語の表出的な言葉」
17:30~17:45 総合討論
18:00~ 懇親会
2019年6月30日(日)
9:30 開場
10:00~10:40 発表(7)
Sa Kimleng
(Graduate School of Public Policy (International Program), University of Tokyo)
“Climate Vulnerability in Cambodia: A case study in Koh Kong Province”
10:40~11:20 発表(8)
小坂井真季
(東京大学大学院 新領域創成科学研究科国際協力学専攻博士課程単位取得満期退学)
「レジデンシャル・ケアをめぐるカンボジア政府の政策に関する考察-国連子どもの権利委員会文書から」
11:20~12:20 休憩
12:20~13:20 発表(9) ポスターセッション
宮城県仙台二華高等学校
9-1 佐藤涼香
「トンレサップ湖における水上集落への雨樋設置と住民の意識の変化」
9-2 齊藤未宇
「トンレサップ湖水上集落の雨水集積システムの改善」
9-3 馬場彩花
「バイオトイレの普及においた有機堆肥の抵抗感と情報格差の関係性について」
9-4 丸山千智
「カンボジアの貧困家庭への新規設置に適したトイレの形式は何か」
9-5 齋藤萌恵
「カンボジアにおける身繕い習慣の有無と日本との差異について」
13:20~14:00 発表(10)
Pichsovann CHHIM
(Asia Public Policy Program (APPP), Hitotsubashi University)
“Taxes, Expenditures and Economic Growth in Lower Income Countries: Panel Data Analysis”
以上
期日: 2019年6月29日(土)および30日(日)
会場:
6月29日(土)早稲田大学戸山キャンパス 33号館16階 第10会議室
6月30日(日)早稲田大学戸山キャンパス 39号館1階 考古学研究室
JR山手線 高田馬場駅から徒歩20分
西武新宿線 高田馬場駅から徒歩20分
地下鉄東京メトロ東西線 早稲田駅から徒歩3分
地下鉄東京メトロ副都心線 西早稲田駅から徒歩12分
アクセスマップ
https://www.waseda.jp/top/access/toyama-campus
詳細な会場案内図は ☞こちら
<プログラム>
2019年6月29日(土)
12:30 開場
13:00~13:15 趣旨説明
13:15~13:55 発表(1)
松井生子
(昭和薬科大学・非常勤講師/東京外国語大学AA研・ジュニア・フェロー)
「その後の「上座仏教との関わり方」-カンボジア南東部の村におけるベトナム人の宗教的実践のこの10年間の変化」
13:55~14:35 発表(2)
東 佳史(立命館大学・教授)
「プノンペンの配車アプリドライバー達-2018-9の事前調査から」
14:35~15:15 発表(3)
矢倉研二郎(阪南大学経済学部・教授)
「カンボジア稲作におけるコンバインの急速な普及-その要因と請負業者にとっての帰結」
15:15~15:30 休憩
15:30~16:10 発表(4)
Hay Chanthol
(University of Battambang & Graduate School of Public Policy, University of Tokyo)
“Return to education and labor market in Cambodia: evidence form labor force survey 2012”
16:10~16:50 発表(5)
高田知仁(サイアム大学・タイ日文化研究センター長)
「ラオスで見つかったクメール様式の仏像-ルアンプラバーンを中心として」
16:50~17:30 発表(6)
井上 航(国立民族学博物館・外来研究員)
「生態学的にみたブラウクルン語の表出的な言葉」
17:30~17:45 総合討論
18:00~ 懇親会
2019年6月30日(日)
9:30 開場
10:00~10:40 発表(7)
Sa Kimleng
(Graduate School of Public Policy (International Program), University of Tokyo)
“Climate Vulnerability in Cambodia: A case study in Koh Kong Province”
10:40~11:20 発表(8)
小坂井真季
(東京大学大学院 新領域創成科学研究科国際協力学専攻博士課程単位取得満期退学)
「レジデンシャル・ケアをめぐるカンボジア政府の政策に関する考察-国連子どもの権利委員会文書から」
11:20~12:20 休憩
12:20~13:20 発表(9) ポスターセッション
宮城県仙台二華高等学校
9-1 佐藤涼香
「トンレサップ湖における水上集落への雨樋設置と住民の意識の変化」
9-2 齊藤未宇
「トンレサップ湖水上集落の雨水集積システムの改善」
9-3 馬場彩花
「バイオトイレの普及においた有機堆肥の抵抗感と情報格差の関係性について」
9-4 丸山千智
「カンボジアの貧困家庭への新規設置に適したトイレの形式は何か」
9-5 齋藤萌恵
「カンボジアにおける身繕い習慣の有無と日本との差異について」
13:20~14:00 発表(10)
Pichsovann CHHIM
(Asia Public Policy Program (APPP), Hitotsubashi University)
“Taxes, Expenditures and Economic Growth in Lower Income Countries: Panel Data Analysis”
以上
2019年5月24日
5/30 上智大学アジア文化研究所 文化遺産研究講演会
上智大学アジア文化研究所主催・文化遺産研究講演会のご案内(要事前申込)
「カンボジアの大型影絵芝居スバエク・トム:時代に合わせて生き残るとは? 伝統芸能を担う人々の苦悩」
講師:福富 友子(ふくとみ ともこ)さん
講師プロフィール:上智大学、東京外国語大学非常勤講師/1997~2000年にティー・チアン一座でスバエク・トムを学ぶ。著書に『旅の指さし会話帳 カンボジア』(情報センター出版局)
[開催概要]
アンコール遺跡を抱える観光地としてにぎわうシエムリアプ州に、「スバエク・トム」 という伝統芸能があります。 大きな牛の皮に細かな彫りを施して作った影絵人形を操って演じる、影絵芝居です。 野外に幅10メートル高さ4メートルもある大きな白布のスクリーンを立て、ココナツの殻を燃やして出る大きな炎を光源にシルエットを映し出す演技は、壮大で幻想的です。けれども、この芸能を専門とする一座は昔から数少なく、2005年にユネスコ無形文化遺産への登録が決まって以降も、国による支援体制もなく、上演の鑑賞を求める国内外の観光客が大々的に増えるということもありません。伝統芸能も、時代に合わせて新しくしていかなければならないのでしょうか?一座はどんな努力をしなくてはいけないのでしょうか。講演では、スバエク・トムの演技の特徴や演目となる物語、人形の制作方法を紹介するとともにシエムリアプ州サラコンサエン村で昔ながらの上演を続けるティー・チアン一座の活動と現状についてお話しします。(講師より)
*この講演では、ティー・チアン一座によるスバエク・トムの実演はありません。
日時:2019年5月30日(木)18:00-20:00(開場17:40~)
場所:上智大学四谷キャンパス6号館5階503教室(6-503)
https://www.sophia.ac.jp/jpn/info/access/accessguide/access_yotsuya.html
事前にEmailでお申し込みください。(5/28締切)
i-asianc[atmark]sophia.ac.jp
お問合わせ
上智大学アジア文化研究所 i-asianc[atmark]sophia.ac.jp
http://dept.sophia.ac.jp/is/iac/index.html
「カンボジアの大型影絵芝居スバエク・トム:時代に合わせて生き残るとは? 伝統芸能を担う人々の苦悩」
講師:福富 友子(ふくとみ ともこ)さん
講師プロフィール:上智大学、東京外国語大学非常勤講師/1997~2000年にティー・チアン一座でスバエク・トムを学ぶ。著書に『旅の指さし会話帳 カンボジア』(情報センター出版局)
[開催概要]
アンコール遺跡を抱える観光地としてにぎわうシエムリアプ州に、「スバエク・トム」 という伝統芸能があります。 大きな牛の皮に細かな彫りを施して作った影絵人形を操って演じる、影絵芝居です。 野外に幅10メートル高さ4メートルもある大きな白布のスクリーンを立て、ココナツの殻を燃やして出る大きな炎を光源にシルエットを映し出す演技は、壮大で幻想的です。けれども、この芸能を専門とする一座は昔から数少なく、2005年にユネスコ無形文化遺産への登録が決まって以降も、国による支援体制もなく、上演の鑑賞を求める国内外の観光客が大々的に増えるということもありません。伝統芸能も、時代に合わせて新しくしていかなければならないのでしょうか?一座はどんな努力をしなくてはいけないのでしょうか。講演では、スバエク・トムの演技の特徴や演目となる物語、人形の制作方法を紹介するとともにシエムリアプ州サラコンサエン村で昔ながらの上演を続けるティー・チアン一座の活動と現状についてお話しします。(講師より)
*この講演では、ティー・チアン一座によるスバエク・トムの実演はありません。
日時:2019年5月30日(木)18:00-20:00(開場17:40~)
場所:上智大学四谷キャンパス6号館5階503教室(6-503)
https://www.sophia.ac.jp/jpn/info/access/accessguide/access_yotsuya.html
事前にEmailでお申し込みください。(5/28締切)
i-asianc[atmark]sophia.ac.jp
お問合わせ
上智大学アジア文化研究所 i-asianc[atmark]sophia.ac.jp
http://dept.sophia.ac.jp/is/iac/index.html
2019年5月12日
5/13 上智大学アジア文化研究所 文化遺産研究講演会「アート・デザインを通じた社会課題への取り組み」
上智大学アジア文化研究所主催・文化遺産研究講演会
「アート・デザインを通じた社会課題への取り組み」
貝塚乃梨子さん
(一般社団法人Social Compass理事、デザイナー/上智大学大学院グローバル・スタディーズ研究科地域研究専攻修了)
*アート・デザインを通じて、社会問題を解決することを目指し2014年にカンボジアで結成されたクリエイター集団「ソーシャルコンパス」。そのデザイナーで、理事でもある貝塚乃梨子さんは上智大学大学院で地域研究を専攻したソフィアンです。日本一時帰国中の貝塚さんに、カンボジア地域研究から始まったご自身のキャリア、そして現在所属しているソーシャルコンパスの活動、計画中のソーシャル・デザイン・キャンプなどについて講演していただきます。カンボジアあるいは他の国や文化・歴史的背景の異なる人たちと、アート・デザインを通じてどのように関わり合っていくことができるのか、その発想や展開は無限です。ご来場をお待ちしております。
https://socialcompass.jp/
開催概要
日時:2019年5月13日(月)13:30開始(13:10開場)-15:10
場所:上智大学四谷キャンパス中央図書館9階911会議室(L-911)
参加ご希望の方は5月10日までにお申込みください: i-asianc[atmark]sophia.ac.jp
学外の方は図書館入館の際にお名前を記帳していただきます。ご協力よろしくお願いいたします。
お問合わせ
上智大学アジア文化研究所 i-asianc[atmark]sophia.ac.jp
http://dept.sophia.ac.jp/is/iac/index.html
「アート・デザインを通じた社会課題への取り組み」
貝塚乃梨子さん
(一般社団法人Social Compass理事、デザイナー/上智大学大学院グローバル・スタディーズ研究科地域研究専攻修了)
*アート・デザインを通じて、社会問題を解決することを目指し2014年にカンボジアで結成されたクリエイター集団「ソーシャルコンパス」。そのデザイナーで、理事でもある貝塚乃梨子さんは上智大学大学院で地域研究を専攻したソフィアンです。日本一時帰国中の貝塚さんに、カンボジア地域研究から始まったご自身のキャリア、そして現在所属しているソーシャルコンパスの活動、計画中のソーシャル・デザイン・キャンプなどについて講演していただきます。カンボジアあるいは他の国や文化・歴史的背景の異なる人たちと、アート・デザインを通じてどのように関わり合っていくことができるのか、その発想や展開は無限です。ご来場をお待ちしております。
https://socialcompass.jp/
開催概要
日時:2019年5月13日(月)13:30開始(13:10開場)-15:10
場所:上智大学四谷キャンパス中央図書館9階911会議室(L-911)
参加ご希望の方は5月10日までにお申込みください: i-asianc[atmark]sophia.ac.jp
学外の方は図書館入館の際にお名前を記帳していただきます。ご協力よろしくお願いいたします。
お問合わせ
上智大学アジア文化研究所 i-asianc[atmark]sophia.ac.jp
http://dept.sophia.ac.jp/is/iac/index.html
2019年4月26日
5/25 東南アジア学会関西地区5月例会
今回は、カンボジアおよびマレーシアを中心とした近年の政治と社会の関わりを取り上げたパネル形式の例会となります。
オープンな会ですのでぜひご自由にご参加ください。事前登録などの手続きは必要ありません。
日時:5月25日(土)13:00-17:30
場所: 京都大学稲盛財団記念館 3階 中会議室
https://kyoto.cseas.kyoto-u.ac.jp/access/
開場 12:30
第一報告(13:00-14:00)
発表者:山田裕史(新潟国際情報大学)
発表題目:カンボジアにおける権威主義体制の強化と2018年総選挙
要旨:2013年総選挙と2017年地方選挙で最大野党・救国党が躍進したカンボジアでは、2017年後半に救国党党首の逮捕と同党の解党、主要メディアの廃刊や閉鎖など、権威主義体制の強化と位置づけられる出来事が相次いだ。そして2018年総選挙では、フン・セン首相率いる与党・カンボジア人民党が76.9%の票を得て全議席を独占するに至った。
選挙に勝利して体制を維持するためとはいえ、欧米諸国による経済制裁が容易に予想されるなか、なぜ人民党政権は救国党を選挙過程から排除するまでに強権化したのか。その要因のひとつとして、多額の援助・投資・貿易によって人民党政権を支える中国の存在が指摘されているが、本報告では、2013年総選挙後から2017年地方選挙までの国内政治の動向に着目して上記の問いについて検討する。具体的には、野党勢力の取り込みと分断が今回は機能しなかったこと、および、人民党の常勝を支えてきた選挙操作が選挙改革によって困難となったことを指摘したい。また、2018年総選挙後の人民党と国軍の人事の分析から、フン・セン首相の長男への世襲と目される動きについても若干の考察を行う。
第二報告(14:00-15:00)
発表者:伊賀司(京都大学)・鷲田任邦(東洋大学)
発表題目:マレーシアの2018年政権交代と選挙監視運動
発表要旨:マレーシアでは2018年5月に実施された総選挙によって独立以来、史上初の政権交代が起こった。事前の選挙予測では、ほとんどの世論調査機関やメディアが与党連合の国民戦線(BN)の総選挙での勝利を予測していた。また、研究者の間でも2018年総選挙でのBNが勝利する確率は高いとみられていた。世論調査機関、メディア、研究者たちのBN勝利の判断の基準となっていたのは、BNによる長年の利益供与の構造とそれによって形成されてきた固い支持基盤、いわゆるゲリマンダリングといわれる選挙区割りの操作やそれによって生み出される一票の格差の問題、BNの意向に沿って活動する非中立的な選挙管理委員会や結社登録局などこれまで続いてきた野党に不公平な選挙の実態であった。
では、なぜ野党連合の希望連盟(PH)は大多数の事前予想を覆し、BNに勝利することができたのか。様々な議論が可能だが、本報告では2008年以降本格化していった選挙監視運動の実態とそれを率いてきた活動家、さらに選挙監視運動を受け入れていった政治・社会的な背景に注目して、マレーシア史上初の政権交代の要因の一端を解き明かしていきたい。報告では、あらゆる不正手段で延命を図るBNに対して、活動家を中心とする選挙監視運動がどのように生起・対抗し、そしてなぜ多くの市民を巻き込むうねりにつなげていくことができたのかを、質的・量的双方のデータを用いて検討することから、選挙監視運動が政権交代に与えた影響を考察する。さらに、マレーシアの事例を取り扱う本報告を通じて、政治学の理論面で2000年代に入って注目されてきた選挙権威主義体制および競争的権威主義体制といった体制の実態とその崩壊について理論的側面から理解を深めていくきっかけともしていきたい。
第三報告(15:10-16:10 )
発表者:岡田勇(名古屋大学)
発表題目:政府に対する抗議運動への参加ーボリビア、カンボジア、モンゴルのサーベイ比較ー
発表要旨:アジアよりもラテンアメリカの方が、抗議運動に参加する傾向が高いという説がある。本当だろうか。そもそも、国によって、人々が抗議運動に参加する傾向が異なりうるのだろうか。もし異なるとすればそれは何によるのだろうか。本報告では、人々の政府に対する認識が国によって異なり、それによって抗議運動に参加する傾向が異なるとの仮説を立て、それを複数国での独自サーベイによって検証することを試みる。2018年にボリビア、カンボジア、モンゴルで実施されたサーベイでは、歴史文化的背景、政党政治、現政権の継続期間、人々の政治参加のパターンなどが大きく異なる国でいかに比較検証が可能になるかを考える必要があったため、ヴィニエットを用い、質問票の一部をランダム操作するなどの工夫を行った。本報告では、3カ国での調査結果を報告するとともに、実際にサーベイを実施する上での苦労などについても話題提供する。
総合討論 16:10-17:30
以上
ご不明な点がありましたら、
小林(kobasa[atmark]cseas.kyoto-u.ac.jp)までご連絡ください。
東南アジア学会関西例会担当理事・委員
小林知、伊賀司、ピヤダー・ションラオーン、吉川和希、西島薫
オープンな会ですのでぜひご自由にご参加ください。事前登録などの手続きは必要ありません。
日時:5月25日(土)13:00-17:30
場所: 京都大学稲盛財団記念館 3階 中会議室
https://kyoto.cseas.kyoto-u.ac.jp/access/
開場 12:30
第一報告(13:00-14:00)
発表者:山田裕史(新潟国際情報大学)
発表題目:カンボジアにおける権威主義体制の強化と2018年総選挙
要旨:2013年総選挙と2017年地方選挙で最大野党・救国党が躍進したカンボジアでは、2017年後半に救国党党首の逮捕と同党の解党、主要メディアの廃刊や閉鎖など、権威主義体制の強化と位置づけられる出来事が相次いだ。そして2018年総選挙では、フン・セン首相率いる与党・カンボジア人民党が76.9%の票を得て全議席を独占するに至った。
選挙に勝利して体制を維持するためとはいえ、欧米諸国による経済制裁が容易に予想されるなか、なぜ人民党政権は救国党を選挙過程から排除するまでに強権化したのか。その要因のひとつとして、多額の援助・投資・貿易によって人民党政権を支える中国の存在が指摘されているが、本報告では、2013年総選挙後から2017年地方選挙までの国内政治の動向に着目して上記の問いについて検討する。具体的には、野党勢力の取り込みと分断が今回は機能しなかったこと、および、人民党の常勝を支えてきた選挙操作が選挙改革によって困難となったことを指摘したい。また、2018年総選挙後の人民党と国軍の人事の分析から、フン・セン首相の長男への世襲と目される動きについても若干の考察を行う。
第二報告(14:00-15:00)
発表者:伊賀司(京都大学)・鷲田任邦(東洋大学)
発表題目:マレーシアの2018年政権交代と選挙監視運動
発表要旨:マレーシアでは2018年5月に実施された総選挙によって独立以来、史上初の政権交代が起こった。事前の選挙予測では、ほとんどの世論調査機関やメディアが与党連合の国民戦線(BN)の総選挙での勝利を予測していた。また、研究者の間でも2018年総選挙でのBNが勝利する確率は高いとみられていた。世論調査機関、メディア、研究者たちのBN勝利の判断の基準となっていたのは、BNによる長年の利益供与の構造とそれによって形成されてきた固い支持基盤、いわゆるゲリマンダリングといわれる選挙区割りの操作やそれによって生み出される一票の格差の問題、BNの意向に沿って活動する非中立的な選挙管理委員会や結社登録局などこれまで続いてきた野党に不公平な選挙の実態であった。
では、なぜ野党連合の希望連盟(PH)は大多数の事前予想を覆し、BNに勝利することができたのか。様々な議論が可能だが、本報告では2008年以降本格化していった選挙監視運動の実態とそれを率いてきた活動家、さらに選挙監視運動を受け入れていった政治・社会的な背景に注目して、マレーシア史上初の政権交代の要因の一端を解き明かしていきたい。報告では、あらゆる不正手段で延命を図るBNに対して、活動家を中心とする選挙監視運動がどのように生起・対抗し、そしてなぜ多くの市民を巻き込むうねりにつなげていくことができたのかを、質的・量的双方のデータを用いて検討することから、選挙監視運動が政権交代に与えた影響を考察する。さらに、マレーシアの事例を取り扱う本報告を通じて、政治学の理論面で2000年代に入って注目されてきた選挙権威主義体制および競争的権威主義体制といった体制の実態とその崩壊について理論的側面から理解を深めていくきっかけともしていきたい。
第三報告(15:10-16:10 )
発表者:岡田勇(名古屋大学)
発表題目:政府に対する抗議運動への参加ーボリビア、カンボジア、モンゴルのサーベイ比較ー
発表要旨:アジアよりもラテンアメリカの方が、抗議運動に参加する傾向が高いという説がある。本当だろうか。そもそも、国によって、人々が抗議運動に参加する傾向が異なりうるのだろうか。もし異なるとすればそれは何によるのだろうか。本報告では、人々の政府に対する認識が国によって異なり、それによって抗議運動に参加する傾向が異なるとの仮説を立て、それを複数国での独自サーベイによって検証することを試みる。2018年にボリビア、カンボジア、モンゴルで実施されたサーベイでは、歴史文化的背景、政党政治、現政権の継続期間、人々の政治参加のパターンなどが大きく異なる国でいかに比較検証が可能になるかを考える必要があったため、ヴィニエットを用い、質問票の一部をランダム操作するなどの工夫を行った。本報告では、3カ国での調査結果を報告するとともに、実際にサーベイを実施する上での苦労などについても話題提供する。
総合討論 16:10-17:30
以上
ご不明な点がありましたら、
小林(kobasa[atmark]cseas.kyoto-u.ac.jp)までご連絡ください。
東南アジア学会関西例会担当理事・委員
小林知、伊賀司、ピヤダー・ションラオーン、吉川和希、西島薫
2019年4月13日
5/11 東南アジア考古学会第264回例会
東南アジア考古学会では第264回例会として、東南アジア古代史科研との共催でワークショップ「東南アジア古代寺院建築の配置構成と図像に込められた世界観」を開催いたします。プログラムと発表要旨は下記の通りです。お手数ですが、参加ご希望の方は末尾の連絡先まで参加をお申し込みください。
日時:5月11日(土)12時50分-17時50分
場所:早稲田大学戸山キャンパス33号館6階第11会議室
プログラム:
12時30分 開場
12時50分 開会
13時00分~13時50分 発表1 青山 亨(東京外国語大学)
13時50分~14時40分 発表2 寺井 淳一(東京外国語大学)
14時40分~15時30分 発表3 久保 真紀子(立正大学)
15時30分~15時45分 コメント1 淺湫 毅(京都国立博物館)
15時45分~16時00分 休憩
16時00分~16時40分 発表4 小野 邦彦(サイバー大学)
16時40分~17時30分 発表5 下田 一太(筑波大学)
17時30分~17時45分 コメント2 重枝 豊(日本大学)
17時50分 閉会
※閉会後、会場付近で懇親会を予定しています。
発表要旨:
【発表1】
発表者:青山 亨
発表題目:プランバナン寺院のラーマーヤナ浮彫が描く「死」のエピソード:テクストとしての浮彫と書承テクストとの比較の視点から
発表要旨:
この報告では、9世紀中頃に中部ジャワに建立されたプランバナン寺院に描かれたラーマーヤナ浮彫を対象に、テクストとしての浮彫と書承テクストを比較することから見えてくる当時のジャワ社会の文化状況を明らかにしようとする。当時のジャワ社会ではヴァールミーキ版、バッティ版、古ジャワ語版、さらに口承のテクストがラーマーヤナに関わる知として共有されていた。ダンダカの森を場面とする「死」に関わるエピソードは、ヴァールミーキ版には7件、浮彫には5件が描かれている。これらの「死」は、ラーマによってもたらされる懲罰的な「死」(A)および恩寵的な「死」(B)、修行者による解脱に至る「死」(C)、ラーマ以外の人物によってもたらされる「死」(D)の4類型がある。書承テクストでは4類型がすべて描かれるが、浮彫ではC類型のエピソードは省略されるかB類型に置き換えられている。このような書き換えは、バラモン教学に基づく修行による解脱に比べて、ヴィシュヌ神の転生であるラーマによる恩寵的な「死」が、ジャワのアニミズム的憑依と離脱の発想とも親和性があり、王権を強化しつつあった当時のジャワ社会と適合的であるとする浮彫の作者の判断によるものと推測される。
【発表2】
発表者:寺井 淳一
発表題目:ミャンマー・バガン遺跡で見られる四仏・五仏の諸相とそれらを巡る祠堂空間の検討
発表要旨:
中央公論美術出版より今年2月に刊行された肥塚隆責任編集『アジア仏教美術論集 東南アジア』所収の拙論「バガン遺跡における本尊初探−11世紀〜14世紀の四仏・五仏を中心に」では、祠堂の中心に祀られた本尊の類型を示し、その中でも重要な位置を占めていた四仏・五仏を取り上げ、その図像的特徴や祠堂に属する刻文の検討から、それらが過去四仏と未来仏を表す可能性が高いことを指摘した。また、このような四仏・五仏を祀る習慣が形成された背景には、ミャンマー地域でバガン朝成立以前に仏教を受け入れた諸民族との文化的交渉や、インドやスリランカなどの周辺地域との人・モノの交流があったことにも触れた。ただ、壁画などの本尊を取り巻く周辺の状況を含めた検討が不十分であった憾みがあった。本報告では、拙論で紹介しきれなかったバガン遺跡における四仏・五仏の諸相を示し、祠堂内の壁面に描かれた画題も含めて、全体としてどのような空間を作り出そうとしているのかを明らかにし、拙論の捕捉を行う。
【発表3】
発表者:久保 真紀子
発表題目:アンコールの仏教寺院プレア・カンにみられるヒンドゥー教図像と統治理念
発表要旨:
アンコール朝の最大版図を築いたジャヤヴァルマン7世は大乗仏教を篤信し、その治世に大規模な仏教寺院を次々と建立した。その一つであるプレア・カンでは、観音菩薩を本尊としながらも、伽藍西側と伽藍北側には、ヴィシュヌやシヴァ、あるいはラーマやクリシュナといったヒンドゥー教図像が浮彫され、伽藍全体として仏教とヒンドゥー教の諸尊が併祀されていた様子がうかがえる。
本発表ではこうした尊像配置に着目し、この寺院伽藍にヒンドゥー教尊像を祀った意図や背景を考察する。具体的には、遺跡で発見された碑文をもとに、アンコール朝の王たちが巡礼した地方寺院における信仰、ならびにジャヤヴァルマン7世統治期のアンコール朝と周辺諸勢力との関係がプレア・カンの尊像配置に与えた影響を検討する。結論として、本尊の観音菩薩を中心にその周囲を諸尊が取り囲むプレア・カンの尊像配置は、当時のアンコール朝と周辺諸地域との関係性を象徴した縮図であった可能性を示す。さらに、王の雄姿を神々や英雄たちに仮託して寺院伽藍の各所に浮彫することで、ジャヤヴァルマン7世が自らの偉業を顕示し、その支配を正統化する意図があったことを指摘する。
【発表4】
発表者:小野邦彦
発表題目:祠堂の平面に図像化された神観念の始原と展開―古代ジャワのヒンドゥー寺院のコスモロジー―
発表要旨:
7世紀末頃から16世紀前半頃までにかけて、ジャワ島の中東部を中心に「ヒンドゥー・ジャワ芸術」が興隆し、とくに高度な文化を発展させたその時代は「古代」と呼び慣らわされている。そして、インド文化を源泉とする美術遺品の中で、ヒンドゥー教および仏教の神仏を祀る宗教建造物は、一般にチャンディ(candi)と総称されている。
チャンディの大半を占める寺院建築のうち、本発表ではヒンドゥー寺院を取り上げ、祠堂建築の堂内や壁龕に安置された尊像配置に認められる規則性について、通説化された解釈を紹介する。そして、尊像の選択と配置に反映された思想、すなわち祠堂の平面に図像化された神観念について、「ヴァーストゥ・シャーストラ」などと呼ばれるインドの建築論書の記述を参照しながら、十分な根拠を伴うものとはいえないが、その始原についての仮説を提示する。
さらに、ヒンドゥー教文化が残されているバリ島の「アスタ・コサラ・コサリ」などと呼ばれる建築論書の記述も参照しながら、当該の神観念の一部がバリ島にも継承されていると考えられることついて付言する。
【発表5】
発表者:下田 一太
発表題目:サンボー・プレイ・クックにおける寺院の伽藍配置と祠堂形式にみる信仰の形態
発表要旨:
7世紀初頭,サンボー・プレイ・クック遺跡群に建立された宗教施設群は,複合的な伽藍を形成したクメール建築における最初期の事例である。中でもプラサート・サンボーやプラサート・イエイ・ポアンは主祠堂を中心に複数の方形の囲繞壁を巡らし,多数の祠堂を境内に配しており,後世のクメール寺院の祖型でありながら,その伽藍構成の特徴を良く示している。多くの祠堂には石製の台座が残され,それぞれに神像が祀られていたことは明らかで,伽藍全体で特定のマンダラ的な信仰の在り様が立体的に表現されていたものと推察される。
本報告では,未だ断片的ではあるものの,各祠堂における尊像や伽藍における信仰のあり方について,伽藍の配置構成,出土した彫像,祠堂に施された装飾や図像,碑文の記述等をもとに考察したい。
参加申し込み:
参加ご希望の方は、5月4日(土)までに以下3点を下記の連絡先までお送りください。
➀お名前
➁ご所属
➂参加希望(ワークショップのみ参加/ワークショップ・懇親会の両方に参加)
申込先:久保 真紀子(makiboku05[atmark]yahoo.co.jp)
日時:5月11日(土)12時50分-17時50分
場所:早稲田大学戸山キャンパス33号館6階第11会議室
プログラム:
12時30分 開場
12時50分 開会
13時00分~13時50分 発表1 青山 亨(東京外国語大学)
13時50分~14時40分 発表2 寺井 淳一(東京外国語大学)
14時40分~15時30分 発表3 久保 真紀子(立正大学)
15時30分~15時45分 コメント1 淺湫 毅(京都国立博物館)
15時45分~16時00分 休憩
16時00分~16時40分 発表4 小野 邦彦(サイバー大学)
16時40分~17時30分 発表5 下田 一太(筑波大学)
17時30分~17時45分 コメント2 重枝 豊(日本大学)
17時50分 閉会
※閉会後、会場付近で懇親会を予定しています。
発表要旨:
【発表1】
発表者:青山 亨
発表題目:プランバナン寺院のラーマーヤナ浮彫が描く「死」のエピソード:テクストとしての浮彫と書承テクストとの比較の視点から
発表要旨:
この報告では、9世紀中頃に中部ジャワに建立されたプランバナン寺院に描かれたラーマーヤナ浮彫を対象に、テクストとしての浮彫と書承テクストを比較することから見えてくる当時のジャワ社会の文化状況を明らかにしようとする。当時のジャワ社会ではヴァールミーキ版、バッティ版、古ジャワ語版、さらに口承のテクストがラーマーヤナに関わる知として共有されていた。ダンダカの森を場面とする「死」に関わるエピソードは、ヴァールミーキ版には7件、浮彫には5件が描かれている。これらの「死」は、ラーマによってもたらされる懲罰的な「死」(A)および恩寵的な「死」(B)、修行者による解脱に至る「死」(C)、ラーマ以外の人物によってもたらされる「死」(D)の4類型がある。書承テクストでは4類型がすべて描かれるが、浮彫ではC類型のエピソードは省略されるかB類型に置き換えられている。このような書き換えは、バラモン教学に基づく修行による解脱に比べて、ヴィシュヌ神の転生であるラーマによる恩寵的な「死」が、ジャワのアニミズム的憑依と離脱の発想とも親和性があり、王権を強化しつつあった当時のジャワ社会と適合的であるとする浮彫の作者の判断によるものと推測される。
【発表2】
発表者:寺井 淳一
発表題目:ミャンマー・バガン遺跡で見られる四仏・五仏の諸相とそれらを巡る祠堂空間の検討
発表要旨:
中央公論美術出版より今年2月に刊行された肥塚隆責任編集『アジア仏教美術論集 東南アジア』所収の拙論「バガン遺跡における本尊初探−11世紀〜14世紀の四仏・五仏を中心に」では、祠堂の中心に祀られた本尊の類型を示し、その中でも重要な位置を占めていた四仏・五仏を取り上げ、その図像的特徴や祠堂に属する刻文の検討から、それらが過去四仏と未来仏を表す可能性が高いことを指摘した。また、このような四仏・五仏を祀る習慣が形成された背景には、ミャンマー地域でバガン朝成立以前に仏教を受け入れた諸民族との文化的交渉や、インドやスリランカなどの周辺地域との人・モノの交流があったことにも触れた。ただ、壁画などの本尊を取り巻く周辺の状況を含めた検討が不十分であった憾みがあった。本報告では、拙論で紹介しきれなかったバガン遺跡における四仏・五仏の諸相を示し、祠堂内の壁面に描かれた画題も含めて、全体としてどのような空間を作り出そうとしているのかを明らかにし、拙論の捕捉を行う。
【発表3】
発表者:久保 真紀子
発表題目:アンコールの仏教寺院プレア・カンにみられるヒンドゥー教図像と統治理念
発表要旨:
アンコール朝の最大版図を築いたジャヤヴァルマン7世は大乗仏教を篤信し、その治世に大規模な仏教寺院を次々と建立した。その一つであるプレア・カンでは、観音菩薩を本尊としながらも、伽藍西側と伽藍北側には、ヴィシュヌやシヴァ、あるいはラーマやクリシュナといったヒンドゥー教図像が浮彫され、伽藍全体として仏教とヒンドゥー教の諸尊が併祀されていた様子がうかがえる。
本発表ではこうした尊像配置に着目し、この寺院伽藍にヒンドゥー教尊像を祀った意図や背景を考察する。具体的には、遺跡で発見された碑文をもとに、アンコール朝の王たちが巡礼した地方寺院における信仰、ならびにジャヤヴァルマン7世統治期のアンコール朝と周辺諸勢力との関係がプレア・カンの尊像配置に与えた影響を検討する。結論として、本尊の観音菩薩を中心にその周囲を諸尊が取り囲むプレア・カンの尊像配置は、当時のアンコール朝と周辺諸地域との関係性を象徴した縮図であった可能性を示す。さらに、王の雄姿を神々や英雄たちに仮託して寺院伽藍の各所に浮彫することで、ジャヤヴァルマン7世が自らの偉業を顕示し、その支配を正統化する意図があったことを指摘する。
【発表4】
発表者:小野邦彦
発表題目:祠堂の平面に図像化された神観念の始原と展開―古代ジャワのヒンドゥー寺院のコスモロジー―
発表要旨:
7世紀末頃から16世紀前半頃までにかけて、ジャワ島の中東部を中心に「ヒンドゥー・ジャワ芸術」が興隆し、とくに高度な文化を発展させたその時代は「古代」と呼び慣らわされている。そして、インド文化を源泉とする美術遺品の中で、ヒンドゥー教および仏教の神仏を祀る宗教建造物は、一般にチャンディ(candi)と総称されている。
チャンディの大半を占める寺院建築のうち、本発表ではヒンドゥー寺院を取り上げ、祠堂建築の堂内や壁龕に安置された尊像配置に認められる規則性について、通説化された解釈を紹介する。そして、尊像の選択と配置に反映された思想、すなわち祠堂の平面に図像化された神観念について、「ヴァーストゥ・シャーストラ」などと呼ばれるインドの建築論書の記述を参照しながら、十分な根拠を伴うものとはいえないが、その始原についての仮説を提示する。
さらに、ヒンドゥー教文化が残されているバリ島の「アスタ・コサラ・コサリ」などと呼ばれる建築論書の記述も参照しながら、当該の神観念の一部がバリ島にも継承されていると考えられることついて付言する。
【発表5】
発表者:下田 一太
発表題目:サンボー・プレイ・クックにおける寺院の伽藍配置と祠堂形式にみる信仰の形態
発表要旨:
7世紀初頭,サンボー・プレイ・クック遺跡群に建立された宗教施設群は,複合的な伽藍を形成したクメール建築における最初期の事例である。中でもプラサート・サンボーやプラサート・イエイ・ポアンは主祠堂を中心に複数の方形の囲繞壁を巡らし,多数の祠堂を境内に配しており,後世のクメール寺院の祖型でありながら,その伽藍構成の特徴を良く示している。多くの祠堂には石製の台座が残され,それぞれに神像が祀られていたことは明らかで,伽藍全体で特定のマンダラ的な信仰の在り様が立体的に表現されていたものと推察される。
本報告では,未だ断片的ではあるものの,各祠堂における尊像や伽藍における信仰のあり方について,伽藍の配置構成,出土した彫像,祠堂に施された装飾や図像,碑文の記述等をもとに考察したい。
参加申し込み:
参加ご希望の方は、5月4日(土)までに以下3点を下記の連絡先までお送りください。
➀お名前
➁ご所属
➂参加希望(ワークショップのみ参加/ワークショップ・懇親会の両方に参加)
申込先:久保 真紀子(makiboku05[atmark]yahoo.co.jp)
2019年4月4日
4/12 Shifting Agendas for the Mekong: New Contexts, New Actors
1980年代からメコン地域の「開発と環境」を研究しているシドニー大学のフィリップ・ハーシュ名誉教授をお招きした、以下の研究会が 東京の法政大学で開催されます。ご関心のある方は「申込方法」のURLから参加申込をお願い致します。
(講演は英語で通訳は付きません。ご注意ください)
1.テーマ(Theme)
メコンをめぐる移りゆくアジェンダ:新たな文脈と新たなアクター
Shifting agendas for the Mekong: new contexts, new actors
2.日時(Date and Time)
2019年4月12日(金)16時半~18時半
April 12, 2019 (Fri) 16:30-18:30
3.場所(Venue)
法政大学市ヶ谷キャンパスボアソナードタワー25階B会議室
Meeting Room B, 25th Floor, Boissonade Tower, Hosei University
[access] http://www.hosei.ac.jp/english/about/map/access/ichigaya/
[campus] http://www.hosei.ac.jp/english/about/map/campus/ichigaya/
4.使用言語(language)
英語(English)※通訳なし
5.概要(Brief description)
メコン河流域の水力発電開発計画は長年にわたって続き、本支流のダム開発への
反対運動もまた長い歴史を持っている。多くの調査が繰り返し社会環境面でのコ
ストを明らかにしているが、ダム建設の進行は衰えることなく、今ではメコン河
下流国の本流にまで建設されている。この研究会では、過去20年間の開発に目を
向け、メコン河のダム開発をめぐるアドボカシーが生じる文脈の変化や、新たな
アクター/利害関係者を検討し、1990年代の「ダム・アドボカシー」の初期段階
から今日までのアジェンダの根本的な変化を示す。
Plans for hydropower development in the Mekong River Basin are
longstanding, and opposition to dams on the Mekong and its tributaries
now also has a long history. Numerous studies reveal the repeated
social and environmental costs of these projects, yet the pace of dam
construction continues unabated and now includes projects on the
mainstream of the Lower Mekong. In light of the development of the past
two decades, this talk considers the changing contexts in which advocacy
on Mekong dams is occurring and new actor/stakeholder configurations,
suggesting fundamental shifts in agendas since the early phases of
dam-oriented advocacy during the 1990s.
6.講演者(Guest Speaker) フィリップ・ハーシュ博士。
シドニー大学名誉教授。1987年から2007年まで同大 学で人文地理学の教鞭をと
る。現在はチェンマイ在中でチェンマイ大学に所属。メコン地域の環境、開発、
土地(所有)に関する多くの著作がある。近年の共編著としては、Powers of
Exclusion: Land dilemmas in Southeast Asia (Singapore University Press,
2011)、The Mekong: A socio-legal approach to river basin development
(Routledge/Earthscan, 2016)、Handbook of the environment in Southeast
Asia (Routledge, 2017)などがある。
Dr. Philip Hirsch is Emeritus Professor of Human Geography at the
University of Sydney, where he taught from 1987-2007. He is based in
Chiang Mai and affiliated with Chiang Mai University. He has written
extensively on environment, development and agrarian change in the
Mekong Region. Among his recent publications are, (with Derek Hall and
Tania Li) Powers of Exclusion: Land dilemmas in Southeast Asia,
Singapore University Press 2011; (with Ben Boer, Fleur Johns, Ben Saul
and Natalia Scurrah) The Mekong: A socio-legal approach to river basin
development, Routledge/Earthscan, 2016; and (ed) Handbook of the
environment in Southeast Asia, Routledge 2017.[
7.申込方法(Application)
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeTALVQHv7tfXwxt1x-FZ1vJNckMGY6Pk6NNl2oIUQONqJlzA/viewform?vc=0&c=0&w=1&usp=mail_form_link
8.問い合わせ先(Contact)
法政大学国際文化学部 松本 悟
Satoru Matsumoto, Hosei University smatsumoto[atmark]hosei.ac.jp
9.協力団体(Collaboration)
特定非営利活動法人メコン・ウォッチ Mekong Watch
(講演は英語で通訳は付きません。ご注意ください)
1.テーマ(Theme)
メコンをめぐる移りゆくアジェンダ:新たな文脈と新たなアクター
Shifting agendas for the Mekong: new contexts, new actors
2.日時(Date and Time)
2019年4月12日(金)16時半~18時半
April 12, 2019 (Fri) 16:30-18:30
3.場所(Venue)
法政大学市ヶ谷キャンパスボアソナードタワー25階B会議室
Meeting Room B, 25th Floor, Boissonade Tower, Hosei University
[access] http://www.hosei.ac.jp/english/about/map/access/ichigaya/
[campus] http://www.hosei.ac.jp/english/about/map/campus/ichigaya/
4.使用言語(language)
英語(English)※通訳なし
5.概要(Brief description)
メコン河流域の水力発電開発計画は長年にわたって続き、本支流のダム開発への
反対運動もまた長い歴史を持っている。多くの調査が繰り返し社会環境面でのコ
ストを明らかにしているが、ダム建設の進行は衰えることなく、今ではメコン河
下流国の本流にまで建設されている。この研究会では、過去20年間の開発に目を
向け、メコン河のダム開発をめぐるアドボカシーが生じる文脈の変化や、新たな
アクター/利害関係者を検討し、1990年代の「ダム・アドボカシー」の初期段階
から今日までのアジェンダの根本的な変化を示す。
Plans for hydropower development in the Mekong River Basin are
longstanding, and opposition to dams on the Mekong and its tributaries
now also has a long history. Numerous studies reveal the repeated
social and environmental costs of these projects, yet the pace of dam
construction continues unabated and now includes projects on the
mainstream of the Lower Mekong. In light of the development of the past
two decades, this talk considers the changing contexts in which advocacy
on Mekong dams is occurring and new actor/stakeholder configurations,
suggesting fundamental shifts in agendas since the early phases of
dam-oriented advocacy during the 1990s.
6.講演者(Guest Speaker) フィリップ・ハーシュ博士。
シドニー大学名誉教授。1987年から2007年まで同大 学で人文地理学の教鞭をと
る。現在はチェンマイ在中でチェンマイ大学に所属。メコン地域の環境、開発、
土地(所有)に関する多くの著作がある。近年の共編著としては、Powers of
Exclusion: Land dilemmas in Southeast Asia (Singapore University Press,
2011)、The Mekong: A socio-legal approach to river basin development
(Routledge/Earthscan, 2016)、Handbook of the environment in Southeast
Asia (Routledge, 2017)などがある。
Dr. Philip Hirsch is Emeritus Professor of Human Geography at the
University of Sydney, where he taught from 1987-2007. He is based in
Chiang Mai and affiliated with Chiang Mai University. He has written
extensively on environment, development and agrarian change in the
Mekong Region. Among his recent publications are, (with Derek Hall and
Tania Li) Powers of Exclusion: Land dilemmas in Southeast Asia,
Singapore University Press 2011; (with Ben Boer, Fleur Johns, Ben Saul
and Natalia Scurrah) The Mekong: A socio-legal approach to river basin
development, Routledge/Earthscan, 2016; and (ed) Handbook of the
environment in Southeast Asia, Routledge 2017.[
7.申込方法(Application)
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeTALVQHv7tfXwxt1x-FZ1vJNckMGY6Pk6NNl2oIUQONqJlzA/viewform?vc=0&c=0&w=1&usp=mail_form_link
8.問い合わせ先(Contact)
法政大学国際文化学部 松本 悟
Satoru Matsumoto, Hosei University smatsumoto[atmark]hosei.ac.jp
9.協力団体(Collaboration)
特定非営利活動法人メコン・ウォッチ Mekong Watch
2019年1月17日
1/26 日本マレーシア学会関東地区例会、2018年度第3回研究会
下記の通り、研究会を実施いたします。
マレーシア学会会員以外の方も出席可能(事前登録不要)ですので、お誘い合わせの上、ご参集ください。
報告90-120分、コメント30-60分ののち質疑とゆったり時間を取り、十分説明、議論できる場です。引き続き国内外を問わず発表されたい方が居られれば、自薦でも他薦でもご一報下さい。
-----
〇スケジュール
・日時: 1月26日(土) 14:00~17:00
・会場: 立教大学池袋キャンパス 4号館別棟 1階 4151教室
http://www.rikkyo.ac.jp/access/ikebukuro/qo9edr00000001gl-att/img-campusmap_ike.pdf
(学生相談所と13号館の間の建物です)
・テーマ: 「マレーシア・クランタンの影絵芝居『ワヤン・クリ・クランタン』とカンボジアの大型影絵芝居『スバエク・トム』」
〇報告者
・福富友子(東京外国語大学、上智大学非常勤講師)
・戸加里康子(拓殖大学、東京外国語大学、立教大学非常勤講師)
〇趣旨
動物の皮から作られた人形に光を当て、白いスクリーンに映し出された影を動かしながら演じられる影絵芝居。トルコから中国まで世界の広い地域にそれぞれの影絵芝居があるが、東南アジアでは特にポピュラーな芸能である。カンボジアとタイには、大型と小型の二種類の影絵芝居があり、カンボジアではスバエク・トムとスバエク・トーイ、タイではナン・ヤイとナン・タルンと呼ばれている。
マレーシアとインドネシアには、小型の影絵芝居だけがあり、ワヤン・クリと呼ばれる。
本発表では、マレーシア・クランタン州のワヤン・クリをカンボジアの大型影絵芝居スバエク・トムと比較する。
マレーシア・クランタン州のワヤン・クリでは、一人の人形遣いと音楽演奏者で上演を行う。人形遣いはスクリーンの後ろに座り、一人で全ての人形を操る。スクリーンの下に据えられたバナナの幹に、人形の持ち手を突き刺すことで、一人で複数の人形を遣うことができる。人形はほとんどが片手だけ動くようになっているが、道化の人形は両手とあごも動く。人形遣いは人形を操るだけでなく語りも行うが、性格の異なる様々な登場人物を、声音を変えて全て一人で演じ分けるのは、人形遣いの腕の見せ所である。
「大きな皮」という意味のスバエク・トムは、大きな影絵人形を複数の人形遣いが操る。人形遣い以外に物語の語り手と音楽の演奏者で上演が行われる。人形には、一枚の中に複数の登場人物が描かれた物語の場面を表すものと、登場人物ごとのものがある。どちらも人形自体は動かない。人形遣いは、大きなものでは1m以上にもなる人形を頭上に掲げ、音楽に合わせてステップを踏みながら踊るように人形を遣う。人形の影だけでなく、人形を操る人形遣い自身の影もスクリーンに映し出され、またスクリーンの裏側だけでなく、表側に出て演じることもあり、非常にダイナミックな影絵芝居である。
本発表では、それぞれの影絵芝居の人形、音楽、上演法などについて紹介する。また、2つの影絵芝居の意外な相似点についても論じてみたい。
マレーシア学会会員以外の方も出席可能(事前登録不要)ですので、お誘い合わせの上、ご参集ください。
報告90-120分、コメント30-60分ののち質疑とゆったり時間を取り、十分説明、議論できる場です。引き続き国内外を問わず発表されたい方が居られれば、自薦でも他薦でもご一報下さい。
-----
〇スケジュール
・日時: 1月26日(土) 14:00~17:00
・会場: 立教大学池袋キャンパス 4号館別棟 1階 4151教室
http://www.rikkyo.ac.jp/access/ikebukuro/qo9edr00000001gl-att/img-campusmap_ike.pdf
(学生相談所と13号館の間の建物です)
・テーマ: 「マレーシア・クランタンの影絵芝居『ワヤン・クリ・クランタン』とカンボジアの大型影絵芝居『スバエク・トム』」
〇報告者
・福富友子(東京外国語大学、上智大学非常勤講師)
・戸加里康子(拓殖大学、東京外国語大学、立教大学非常勤講師)
〇趣旨
動物の皮から作られた人形に光を当て、白いスクリーンに映し出された影を動かしながら演じられる影絵芝居。トルコから中国まで世界の広い地域にそれぞれの影絵芝居があるが、東南アジアでは特にポピュラーな芸能である。カンボジアとタイには、大型と小型の二種類の影絵芝居があり、カンボジアではスバエク・トムとスバエク・トーイ、タイではナン・ヤイとナン・タルンと呼ばれている。
マレーシアとインドネシアには、小型の影絵芝居だけがあり、ワヤン・クリと呼ばれる。
本発表では、マレーシア・クランタン州のワヤン・クリをカンボジアの大型影絵芝居スバエク・トムと比較する。
マレーシア・クランタン州のワヤン・クリでは、一人の人形遣いと音楽演奏者で上演を行う。人形遣いはスクリーンの後ろに座り、一人で全ての人形を操る。スクリーンの下に据えられたバナナの幹に、人形の持ち手を突き刺すことで、一人で複数の人形を遣うことができる。人形はほとんどが片手だけ動くようになっているが、道化の人形は両手とあごも動く。人形遣いは人形を操るだけでなく語りも行うが、性格の異なる様々な登場人物を、声音を変えて全て一人で演じ分けるのは、人形遣いの腕の見せ所である。
「大きな皮」という意味のスバエク・トムは、大きな影絵人形を複数の人形遣いが操る。人形遣い以外に物語の語り手と音楽の演奏者で上演が行われる。人形には、一枚の中に複数の登場人物が描かれた物語の場面を表すものと、登場人物ごとのものがある。どちらも人形自体は動かない。人形遣いは、大きなものでは1m以上にもなる人形を頭上に掲げ、音楽に合わせてステップを踏みながら踊るように人形を遣う。人形の影だけでなく、人形を操る人形遣い自身の影もスクリーンに映し出され、またスクリーンの裏側だけでなく、表側に出て演じることもあり、非常にダイナミックな影絵芝居である。
本発表では、それぞれの影絵芝居の人形、音楽、上演法などについて紹介する。また、2つの影絵芝居の意外な相似点についても論じてみたい。
2019年1月4日
1/19 東南アジア学会、関西例会
International Seminar on “(Re)connecting the Past after the Battle
Field: A Study of Cambodian Historiography after 1991”
Date: January 19, 2019 (Sat.) 14:30-18:00
Venue: Seminar Room, 1st Floor, Eastern Building, Center for Southeast Asian Studies, Kyoto University
https://en.kyoto.cseas.kyoto-u.ac.jp/access/
14:30-14:45 Opening
Introduction of the Seminar and the Background of the Project
by KOBAYASHI Satoru, CSEAS, Kyoto University and SHINTANI Haruno,
Doctoral Student of the University of Tokyo
14:45-15:45 Presentation (1)
“History Textbooks and Politics: focusing on Cambodian context after
Paris peace accords”
by SHINTANI Haruno, Doctoral Student, Graduate School of Letters,
University of Tokyo, Japan.
15:45-16:00 Break
16:00-17:00 Presentation (2)
“The Kan Narrative: Origins, Evolution, and Implications”
By Thun Theara, Lecturer, History Department, Royal University of Phnom
Penh, Cambodia and the post-doctoral fellow of the International
Institute for Asian Studies, Leiden, Holland.
17:00-18:00 Discussion
Note:
This seminar is organized by International Program for Collaborative
Research (IPCR), the Center for Southeast Asian Studies, Kyoto University.
Field: A Study of Cambodian Historiography after 1991”
Date: January 19, 2019 (Sat.) 14:30-18:00
Venue: Seminar Room, 1st Floor, Eastern Building, Center for Southeast Asian Studies, Kyoto University
https://en.kyoto.cseas.kyoto-u.ac.jp/access/
14:30-14:45 Opening
Introduction of the Seminar and the Background of the Project
by KOBAYASHI Satoru, CSEAS, Kyoto University and SHINTANI Haruno,
Doctoral Student of the University of Tokyo
14:45-15:45 Presentation (1)
“History Textbooks and Politics: focusing on Cambodian context after
Paris peace accords”
by SHINTANI Haruno, Doctoral Student, Graduate School of Letters,
University of Tokyo, Japan.
15:45-16:00 Break
16:00-17:00 Presentation (2)
“The Kan Narrative: Origins, Evolution, and Implications”
By Thun Theara, Lecturer, History Department, Royal University of Phnom
Penh, Cambodia and the post-doctoral fellow of the International
Institute for Asian Studies, Leiden, Holland.
17:00-18:00 Discussion
Note:
This seminar is organized by International Program for Collaborative
Research (IPCR), the Center for Southeast Asian Studies, Kyoto University.
登録:
投稿 (Atom)