2019年6月10日

6/29 発表要旨(2)

東 佳史(立命館大学・教授)
「プノンペンの配車アプリドライバー達-2018-9の事前調査から」

AZUMA Yoshifumi
"Preliminary Findings on the Dispatch Application Drivers in Phnom Penh 2018-9"

 本発表は急激に変化する東南アジア都市交通の主役である配車アプリの運転手を調査対象として、その担い手たちの社会経済背景の一端を明らかにすることを目的とする。急激に拡大する首都 プノンペンの公共交通網は貧弱でかつてはモドドップが庶民の足であったが現在は屋根がある交通手段となってきている。
 本発表では、日本人が経営するItusmoという配車アプリの協力を得て4万以上の契約者リストから300名のリストをランダムサンプリング方法を用いて抽出して、10問の基本的な質問を電話調査で行った結果183名のサンプルを得た。調査者としてプノンペン大学の4回生を雇用したためか、拒否率は非常に高く2割以上に達した。
 予備調査の結果として興味深いのは運転手達の高学歴である。約半数が高校中退か卒業でありスマホを使いこなす能力があるようである。平均年齢は35才であり、家族を持っている者が97%であった。
 今回の予備調査では基礎的な人口学的、社会経済的データを得たが、他国との配車アプリ運転手調査との内容比較とも視野に入れつつ、今後の課題としたい。