2022年6月14日

7月17日 発表(1) 要旨

東佳史(AZUMA Yoshifumi)立命館大学 

「プノンペンの配車アプリドライバー達に関する予備考察:2022年リモート調査から」

“Interim Report on the Dispatch Application Drivers in Phnom Penh 2022”

 本発表は2019年の第13回カンボジア研究会で発表した「プノンペンの配車アプリドライバー達-2018-9の事前調査から」を発展させた実証研究である。今回は現地CPを雇用しての遠隔調査を行った。具体的には現地CPと共にGoogle Formsで58問からなる質問票を作成し、Grab運転手にMessenger経由で送付し回答をチェック後、WingやABA口座に送金する方法をとった。しかし、銀行から「見知らぬ人からのABA銀行口座を教えないように」とSMSで警告され多くの運転手は入力をためらい、調査は大幅に遅延した。イオンモール等の待合場所で待っている運転手を捕まえて直接入力してもらうという原始的な方法を取るしかなく、カンボジアでの都市一般民への現地調査の困難さを示している。2018-9年の予備調査結果と比較して興味深いのは学歴である。電話インタビューによる予備調査では約半数が高校中退か卒業でありスマホ運用能力があり平均年齢は35才、家族持ちが97%であった。一方、2022年調査では学歴は半数以上が小卒以下となり2割が独身となっている。スマホアプリ理解度は2割以上が困難さを覚えるとし、調査結果には多くの差異が生じた。