2022年6月14日

7月16日 発表(2) 要旨

吉田篤史(YOSHIDA Atsushi) 京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 修士課程

「1980年代初期におけるカンボジア人民革命党の権力構造」

“Who had power in the People's Revolutionary Party of Kampuchea in the Early 1980s?”

 本発表の目的は、フン・センの首相就任以前に形成されていた人民革命党内の権力構造を整理することである。カンボジア人民党(1980年代の名称はカンボジア人民革命党)党首フン・センは、1985年に首相に就任した。そして現在に至るまでその地位を維持しており、その任期は37年に上る。ではなぜ、長期フン・セン政権は成立しえたのか。本発表はこの問いを解明する基礎作業として、フン・センの首相就任以前、つまり1979年から1984年を射程に、党や国家機構の組織と人事を指標として党内の権力構造を整理する。これにより、長期フン・セン政権の成立要件の一端を解明できると考える。尚、本発表内容は、2022年度京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科に提出予定の修士論文の一部である。