2009年11月11日

11/14-15 第3回カンボジア特集研究会

 来る11月14日~15日、京都大学東南アジア研究所が主催する「次世代の地域研究」研究会として、第3回のカンボジア特集研究会が開催されます。この研究会の場で、これまでカンボジア特集の研究会に参加してきたメンバーを中心として、「日本カンボジア研究会」を設立することを提案する予定です。設立への賛同が得られた場合、正式に「日本カンボジア研究会」が発足することになります。
 以下、第3回カンボジア特集研究会の案内です。
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第3回 カンボジア特集研究会のお知らせ

 一昨年、昨年と続けてきましたカンボジア特集研究会の今年度の会合を、11月14~15日に京都大学で開催します。今年は、特別講義をひとつと、若手研究者による講演5本を集めました。
 日本におけるカンボジア研究は、1990年代より新たな時代を迎えました。長らく閉ざされていた現地調査の道が開け、研究者や開発援助の実務専門家が現地を訪問し、調査報告の発表を始めました。最近は、学部学生もスタディツアーなどで気軽に現地を訪問しています。ただ、今日着実に増加しつつあるカンボジア研究には、研究活動の長期の停滞からの影響が様々な形で残されています。そのひとつが、カンボジア語の日本語(カタカナ)表記の問題です。例えば、有名なアンコール遺跡がある街の名は、現在、「シエムリアップ」「シエムリアプ」「シエムリエプ」といったバラバラの日本語表記で名指されているという事実があります。
 そこで、本研究会では、特別講義として、東京外大の上田広美先生に、カンボジア語の日本語表記についてレクチャーをお願いします。これは、画一的な表記法を押しつけることを意図したものではありません。しかし、日本語の音韻体系とカンボジア語の音韻体系を言語学者の目から比較し、その専門的見地から考える最善の表記システムを知ることは、初学者のみならず、カンボジアに関心を寄せる者全てに有意義であると存じます。
 研究会では、さらに、農学、自然資源管理、教育学、人類学の個人発表を通じて、カンボジア社会の現在についてじっくりと議論してゆきたいと考えています。
 初日、あるいは二日目のみの参加も歓迎いたしますので、皆さまぜひふるってご参集下さい。

日時:11月14日(土)、15日(日)

会場:京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 総合研究2号館(旧・工学部 4 号館)4 階会議室 (AA447)
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/about/access.html

プログラム:

【11月14日】
13:00~13:10 趣旨説明

13:20~15:10 【特別講義】
上田広美(東京外国語大学)「カンボジア語の日本語(カタカナ)表記について」

15:20~16:35 個人発表
山本宗立(京都大学東南アジア研究所)
「カンボジアにおけるトウガラシ属の呼称および利用」

16:45~18:00 個人発表
石橋弘之(東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程)
「カルダモン山脈におけるカルダモン利用の変化と地域差 ―カルダモンの利用継続に影響を与える背景要因の考察―」

【11月15日】
10:00~11:45 個人発表
平山雄大(早稲田大学大学院教育学研究科博士課程)
「カンボジアにおける初等教員養成 ―州教員養成校の現状比較を中心に―」

◆昼食休憩

13:00~14:15 個人発表
山崎寿美子(筑波大学大学院人文社会科学研究科博士課程)
「現代カンボジア・ストゥン・トラエン州のラオ村落における仏教実践 ―若年僧の位置どりと俗からの位置づけ―」

14:25~15:40 個人発表
武田龍樹(京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程)
「ポルポト時代以後の俗人篤信家たち ―コンポンチャム州村落部を事例に―」

※本研究会は、京都大学東南アジア研究所の「次世代の地域研究」研究会(所内研究会)の一環として実施します。