2014年3月25日

4/26 東南アジア学会、関東例会

2014年度第1回関東例会・4月例会のご案内を致します。

今回は、北川香子会員、岡本真会員による「17~18世紀柬埔寨国書の分析」及び、髙橋昭雄会員による「ミャンマー村落社会論構築の試み」の2報告です。

詳細は下記をご覧下さい。多くの方々のご来場をお待ちしております。
なお、今回の会場は通常とは異なる「4階セミナースペース」となっております。
ご注意ください。

<2014年度4月例会>
日時:2014年4月26日(土)13:30~17:45
会場:東京外国語大学・本郷サテライト4階セミナースペース
http://www.tufs.ac.jp/access/hongou.html

☆第一報告(13:30~15:30)
報告者:北川香子氏(学習院大学・青山学院大学非常勤講師)
岡本真氏(東京大学史料編纂所助教)
コメンテーター:松方冬子先生(東京大学史料編纂所准教授)
報告題:「17~18世紀柬埔寨国書の分析」

<報告要旨>
東京大学史料編纂所は、17・18世紀のクメール語書簡6通各2写本を所蔵している。これらは対になる漢文書簡とともに、近藤重蔵関係資料『外国関係書簡』と『外蕃書翰』に収められている。そのうち1742年に日本に送られてきた書簡は、2013年11月に開催された史料編纂所の第36回史料展覧会で展示され、その機会に報告者らが行った調査によって、『外国関係書簡』所収のものが原本に極めて忠実な写しであることが判明した。すなわち碑刻文以外では、現在知られている中で最古のクメール語文書と考えられる。残り5通は『相国寺書翰屏風』からの写しであり、1742年書簡よりも精度が劣るが、オリジナルの『相国寺書翰屏風』は「天明の大火」で焼失したとされているので、やはり『外国関係書簡』所収のものが、原本に最も近い写しということになる。今回は、これらのクメール語書簡を含めた柬埔寨国書の解読・分析によって、新しく判明した17~18世紀の日本とカンボジアの通交のあり方を報告する。

☆第二報告(15:45~17:45)
報告者:髙橋昭雄氏(東京大学東洋文化研究所教授)
コメンテーター:斎藤照子先生(東京外国語大学名誉教授)
報告題:「ミャンマー村落社会論構築の試み」

<報告要旨>
1986年から現在に至るまで、ミャンマー農村200ヵ村以上を訪ね歩き、のべ一万人を超える村人たちと語り合った経験をもとに、「ミャンマー村落社会論」の構築を試みる。日本農村研究から生まれた同族論や自然村論、東南アジア村落研究から想起された家族圏論や屋敷地共住集団論を批判的に継承し、これらの諸理論に自らのインタビュー調査を重ね合わせて、「ミャンマーにおける村とは何か」という、私自身が長年抱き続けてきた問題にとりあえずの見通しをつけてみたい。日本農村社会との比較で得た当面の結論は、「日本の村が生産の共同体であるのに対し、ミャンマーの村は消費のコミュニティである」というものである。ここに至る過程について発表し、コメンテーターをはじめとする研究会参加者の皆さんの批判を仰ぎたいと思う。

終了後、懇親会を用意しております。