2014年3月20日

3/29 【再掲】東南アジア学会、関西例会

3月29日(土)に行われます東南アジア学会関西例会のご案内です。以前ご案内しました発表者の田代亜紀子さんと、もう一人新たに福島直樹さんが提出したばかりの博士予備論文の内容である、ラオス焼畑民の生活用具について、ご報告くださいます。加えて、開始時間を16時から14時へ、早めました。直前の変更になり恐縮ですが、ご確認いただきますよう、よろしくお願いいたします。
またオープンな研究会ですので自由にご参加ください。事前登録等の手続きは必要ありません。

【日時・場所】
2014年3月29日(土)14:00~18:15(13:30開場)
京都大学総合研究2号館4階会議室(AA447)
(百万遍のキャンパスです、会場地図参照、北と東のカギは開いています)
 http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/about/access

【内容】
①14時から:福島直樹:「ラオス北部焼畑民の生存基盤―生活用具の保有と貸借ネットワークに着目して―」
②16時16分から:田代亜紀子

①14時-16時
【発表者】福島直樹(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科院生)
【タイトル】ラオス北部焼畑民の生存基盤―生活用具の保有と貸借ネットワークに着目して―
【要旨】
本報告は、近年既製品が急速に流入するラオス農村における農民の生存基盤の所在を明らかにすることを目的とする。生産性を個人や世帯単位で測る従来の開発観と一線を画して、村内で日常的におこなわれている交換様式に着目することで、調査村の農民がいかにして日々の生活の不足を補いうるかを検討した。調査村において農民が生活を維持するために必要なものは、生活用具を保有することにあるのではなく、不足が生じた際にそれを借りてこられるような人的ネットワークを維持することにあったといえる。この人的ネットワークの維持は、生活用具を借りる場合、基本的に三親等以内の血縁を利用していた。およそ20品目ほどの生活用具の利用が可能なとき生存基盤を維持できることが示唆された。

②16時15分-18時15分
【発表者】田代亜紀子(奈良文化財研究所企画調整部国際遺跡研究室 アソシエイトフェロー)
【タイトル】東南アジアにおける遺跡保存と国際基準の受容-ボロブドゥール、アンコールからピマーイへ
【要旨】
東南アジアを代表する大規模な遺跡として、ボロブドゥール、アンコール、スコータイなどがあげられる。これら遺跡を含めた「文化遺産」と近代国家成立の関係、文化遺産の政治性は、これまで多くの研究者により注目されてきた。特に東南アジアにおいては、遺跡の保存・研究が、植民地政策にどのように利用されてきたのかを中心に議論されてきた。一方で、現在の東南アジアにおいて、
ユネスコが推進する世界文化遺産概念に準じた遺跡保存の方法が受容され、各国の遺跡保存政策に反映されている状況を顧みれば、東南アジアにおける遺跡保存政策の国際基準の受容は、ふたつの時代に分けて考える必要がある。つまり、植民宗主国が本格的に遺跡研究・保存へ乗り出した1900年代前半、そして各国がユネスコの協力のもとに遺跡保存を進めた1970年代以降である。本報告では、インドネシア、カンボジア、タイにおける遺跡保存政策を考察し、遺跡の取り扱い方、特にその修復に注目して、遺跡保存をめぐる国際基準が、どのように各国の遺跡保存に影響を与えたのかを明らかにしたい。

●例会終了後には懇親会も予定しております。こちらもぜひご参加ください。
●関西例会では今後の例会の報告者を募集しています。報告を希望される方は、関西例会連絡係りの田崎(tazaki[atmark]asafas.kyoto-u.ac.jp)までお願い致します。また以下関西例会のホームページへのリンクです。こちらもご活用ください。
https://sites.google.com/site/kansaireikaitounanajia/li-huinoo-zhirase