☆東南アジア考古学会・東南アジア学会関東例会 学際ワークショップ
「紀元1000年紀のメコン河下流域の編年と文化に関する多角的検討」
<趣旨説明>
カンボジアと南 部ベトナムは、少なくとも前近代以前においては文化背景を同じくするにもかかわらず、研究が政治情勢に左右されてきました。本ワークショップは、古代の歴史・文化研究において、そのような国境や現代社会の諸条件に左右されてはいけないという発想からきています。そこで、いろいろなバイアスを抜きにして、日本でカンボジアと南部ベトナムの古代について、多分野からの検討をしてみたく、企画した次第です。当該地域における近年の遺跡研究には、長足の進歩があり、しかもその多くの研究発展に日本人研究者が関わっています。考古学・美術史・建築史・文献史といった各分野からの専門家に集まっていただき、紀元1000年紀のメコン川下流域の古代文化について、編年や時代設定、文化変遷に関する概念を自身の研究から出発して発表を行い、議論の場を設けることにしました。また、研究視界を良好にするため出版物や研究近況の紹介をしてデータ共有もはかりたいと思います。21世紀的研究基盤形成のためにも、是非皆様の積極的ご参加をお待ちする次第です。
コーディネーター:西村昌也(関西大学文化交渉学教育研究拠点)、田畑幸嗣(上智短期大学)
日時:1月29日13時~18時
場所:上智大学2号館5階 507号室
1. 西村昌也(関西大 学)「メコン・ドンナイ川下流域の先史時代末から初期歴史時代にかけての編年議論と大型遺跡の紹介」
2. 田畑幸嗣(上智短期大学)「アンコール時代の考古学研究における年代設定について」
3. 淺湫 毅(京都国立博物館)「アンコール期石造彫刻の編年に関する一試案」
4. 松浦史明(上智大学)「歴史学の立場から(タイトル未定)」
5. 佐藤 桂(早稲田大学)「クメールの建築と都市の変遷」
6. 山形眞理子(立教大学)、太田千香子(近畿日本ツーリスト)「ドンナイ川中流の宗教センター・カッティエン遺跡の考古学的位置づけについて」
7. コメンテーター:肥塚 隆(大阪大学名誉教授:美術史研究の立場から)
8. ディスカッション