2014年6月19日

7/5 第8回日本カンボジア研究会、発表要旨(1)

北川香子
(学習院大学・青山学院大学非常勤講師)

「東京大学史料編纂所所蔵 近藤重蔵関係史料『外国関係書簡』所収 クメール語書簡について」

要旨:
東京大学史料編纂所は、17~18世紀のクメール語書簡6通各2写本を所蔵している。これらは対になる漢文書簡とともに、近藤重蔵関係資料『外国関係書簡』および外務省引継書類『外蕃書翰』に収められている。そのうち『外国関係書簡』所収の1742年書簡は、原本に極めて忠実な写しであると考えられる。残り5通は『相国寺書翰屏風』からの写しであり、1742年書簡よりも精度が劣るが、オリジナルの『相国寺書翰屏風』は「天明の大火」で焼失したとされているので、やはり『外国関係書簡』所収のものが、原本に最も近い写しということになる。今回はこれらのクメール語書簡の解読結果と、それによって判明する江戸時代の日本-カンボジア間の通交のあり方、カンボジア側が日本をどのように見ていたのか等について報告した。

☞プログラムはこちら