2013年9月29日

10/26 東南アジア学会、関東例会

関東例会 10月例会(10月26日開催)のご案内をお送り致します。

今回は、神田真紀子会員による「保護領時代カンボジアにおける都市アンナン人の社会的紐帯」、及び、細淵倫子会員による「パサール隣接型カンポンの住民構造:南ジャカルタ市パサル・ミング調査(2007-09年)を事例に」の2報告です。

詳細は下記をご覧ください。多くの方々のご来場をお待ちしております。

<2013年度10月例会>
日時:2013年10月26日(土)13:30~17:45
会場:東京外国語大学・本郷サテライト5階セミナースペース
http://www.tufs.ac.jp/access/hongou.html

☆第一報告(13:30~15:30)
報告者:神田真紀子氏(なし、2013年3月末日迄東京大学大学院博士課程 人文社会研究科)
コメンテーター:今井昭夫先生(東京外国語大学教授)
報告題:「保護領時代カンボジアにおける都市アンナン人の社会的紐帯」

<報告要旨>

本報告は、カンボジア保護領期、カンボジア都市部のアンナン人(ベトナム人)が参加した同郷者会、同業者会、相互扶助会の諸活動について検討し、移民の社会的紐帯を手がかりとして、アンナン人の移住と定住の実相に迫る試みである。アンナン語(ベトナム語)新聞やガイドなどに言及され、関心の払われていた各組織を中心に、その社会活動と相互扶助について分析する。なかでも、アンナン人会館や各地の同郷者会などでの出身地による紐帯の変遷をたどるほか、女性参加や社会的弱者救済の関心が見られた「高棉仏教会」、官民の連帯もみられる通称「サークル・アミカル」といった広い階層を対象にした同業者会にも着目する。社会参加としての慈善事業、定住度をおしはかることのできる墓地建設問題にも、各会の活動との関連で格別の注意を注ぎたい。以上のアンナン人社会の分析を通じて、カンボジアにおける植民地都市の実態とその変容解明の一助としたい。

☆第二報告(15:45~17:45)
報告者:細淵倫子氏(首都大学東京人文科学研究科社会行動学専攻博士課程)
コメンテーター:内藤耕先生(東海大学文学部アジア文明学科教授)
報告題:「パサール隣接型カンポンの住民構造:南ジャカルタ市パサル・ミング調査(2007-09年)を事例に 」

<報告要旨>

これまでカンポンは、都市における「ムラ」を表す概念であり、同質性・均質性を持つ、インフォーマル・
セクターの居住空間であると認識されてきた。本報告は、パサル・ミング地区におけるカンプン・ジャワの住民を研究対象とし、21世紀のインドネシア・
ジャカルタのカンポンにおける社会構造の動態および、これまで不明瞭であったカンポン住民の経済活動の実態を明らかに
することを目的としている。なお、本報告は、本研究者が、2007-2009年同地区において実施した調査結果に基づいている。また、本報告は、現在、ジョコ・
ウィドド州知事のカンポン改革政策により変貌を遂げるジャカルタの諸相を把握するための一考察となることが期待される。

2013年9月10日

9/14 【再掲、会場確定】日本カンボジア研究会、第6回プノンペン部会

    <日本カンボジア研究会 第6回プノンペン部会>

■日時:2013年9月14日(土)13:30~17:20

■場所:名古屋大学日本法教育研究センター(王立法律経済大学内)
    Monivong    Blvd, District Tonle Basac, Khan Chamkamon
   (地図:http://www.rule.edu.kh/ruledocs/contactus.html

■プログラム
13:30~13:40:研究会の趣旨説明
      (笹川 秀夫:立命館アジア太平洋大学アジア太平洋学部・准教授)
       参加者の自己紹介

13:40~14:40:研究発表①
 ●大坪 加奈子(九州大学大学院人間環境学府人間共生システム専攻博士後期課程)
  タイトル「カンボジアにおける「開発僧」のゆくえ:スヴァーイリエン州の事例から」
 ☞発表要旨

14:40~15:40:研究発表②
 ●貝塚 乃梨子(王立プノンペン大学客員研究員)
  タイトル「1993年体制下カンボジアのナショナル・アイデンティティ形成:
       初等社会科教育の分析を中心に」
 ☞発表要旨

15:40~15:50:休憩(10分)

15:50~16:50:研究発表③
 ●原田 至郎(東京大学大学院情報学環・准教授/
  Visiting Professor at Department of International Studies,IFL, RUPP)
  タイトル「カンボジア王国国民議会選挙の結果および評価に関する分析的考察」
 ☞発表要旨

16:50~17:20:総括

※研究会終了後、懇親会を予定しています。

■参加申し込み:大体の人数を事前に把握するため、
 研究会への参加をご希望される方は、貝塚(riko_riri1109[atmark]yahoo.co.jp)まで、
 ①氏名、②所属、③e-mailアドレスをご連絡ください。

 参加お申込みのご連絡は、9月12日までにお願いいたします。

2013年9月6日

9/14 第6回プノンペン部会、発表要旨1

大坪 加奈子(九州大学大学院人間環境学府人間共生システム専攻・博士後期課程)

「カンボジアにおける「開発僧」のゆくえ―スヴァーイリエン州の事例から―」

 本報告の目的は、カンボジアにおける僧侶の社会・福祉活動とその変容について社会的背景や他者との関係性から検討することである。地域社会の中で寺院や僧侶はさまざまな社会的役割を担ってきたが、1990年代からタイの事例を参照してカンボジアの「開発僧」が研究者や開発援助機関から発見され、開発のオルタナティブ性や内発的発展性が強調されてきた。

 カンボジアにおいて「開発僧」という用語は研究者や開発援助機関からの呼称でしかないものの、積極的に社会・福祉活動を展開してきた僧侶は存在する。また、事実として僧侶が世俗社会との関わりを志向してきた背景がある。例えば、1994年に「仏教とクメール社会の開発」と題した宗教省主催によるセミナーが開催され、マハーニカーイ派およびトアンマユット派の大管僧長、社会・福祉活動に従事する僧侶が参加し、教育や環境、福祉といったさまざまな領域に僧侶や寺院がどのように関わっていくべきか議論がなされている。全国僧侶年次会議においても僧侶が在俗信徒の福祉に貢献することが重要であるとの議論がなされたことがある。こうした背景の一端には、僧侶の伝統的な社会的役割に加え、ポル・ポト政権崩壊後から現在に至るまでの復興・開発といった社会過程で人びとの要請に応じたこと、開発援助機関や海外の宗教団体が僧侶を開発プロジェクトの重要なアクターと見なし関与してきたことがある。したがって、タイの事例を参照してカンボジアの「開発僧」の固定的な見方を再生産するのではなく、カンボジアにおける個別の脈略にそって僧侶の活動を検討することが求められる。

 そこで本報告では、カンボジア南東部に位置するスヴァーイリエン州において、「開発僧」と研究者より称され紹介されてきた僧侶および「開発僧」と称されずとも社会・福祉活動に携わってきた僧侶を事例として取り上げる。僧侶を取り巻く社会背景と活動の系譜を辿り、現在まで展開されている僧侶と他者との関係性を検証し、多様な他者が介在する僧侶の社会・福祉活動の現実態について検討する。

9/14 第6回プノンペン部会、発表要旨2

貝塚 乃梨子(王立プノンペン大学客員研究員)

「1993年体制下カンボジアのナショナル・アイデンティティ形成:初等社会科教育の分析を中心に」

 本研究は、1993年体制下のカンボジアにおけるナショナル・アイデンティティ形成を初等社会科教育の側面から明らかにすることを目的とする。カンボジアの社会科教育は1995年の教育改革で誕生し、自文化の教授を通じたナショナル・アイデンティティの育成を目的として掲げている。社会科教育が成立した背景には、1980年代の社会主義教育からの脱却と、政治体制の移行に伴う新たな教育の必要性があった。とりわけ、1990年代は長年の内戦によって崩壊したナショナル・アイデンティティの育成を、2000年代には著しい経済成長とグローバル化の波に合わせたナショナル・アイデンティティの育成が必要とされてきた。では、カンボジア政府は、現在に至るまでカンボジア人が学ぶべきナショナル・アイデンティティを教科書でどのように記述してきたのであろうか。

 本報告では、中間報告として1993年以降に教育省が行った2度のカリキュラム改革(1995年、2006年)に着目し、初等社会科教科書における記述内容の変容を2013年2月に上智大学大学院へ提出した修士論文に基づき報告する。これを踏まえ、今後のフィールド調査計画について述べたい。

☞プログラムは、こちら

9/14 第6回プノンペン部会、発表要旨3

原田 至郎(東京大学大学院情報学環・准教授/Visiting Professor at Department of International Studies, IFL, RUPP)

「カンボジア王国国民議会選挙の結果および評価に関する分析的考察」

 2013年7月28日に投票が行われたカンボジア王国国民議会選挙については、その結果をめぐって、また自由・公正などの要件を満たすものであったかをめぐって、投票から3週間以上経過しても見解が対立する状況が続いている。
 本報告では、関係する論点を抽出・明確化したうえで、主に技術的・制度的観点から検討が比較的容易な論点とそれ以外の論点に分類・整理し、前者を中心に具体的な検討を行うことを通じて、この選挙の結果および評価についての分析的考察を試みたい。

☞プログラムは、こちら

2013年9月3日

9/14 【再掲、日程・プログラム変更】日本カンボジア研究会 第6回プノンペン部会

    <日本カンボジア研究会 第6回プノンペン部会>

■日時:2013年9月14日(土)13:30~17:20

■場所:未定(確定次第、ご連絡いたします。)

■プログラム
13:30~13:40:研究会の趣旨説明
      (笹川 秀夫:立命館アジア太平洋大学アジア太平洋学部・准教授)
       参加者の自己紹介

13:40~14:40:研究発表①
 ●大坪 加奈子(九州大学大学院人間環境学府人間共生システム専攻博士後期課程)
  タイトル「カンボジアにおける「開発僧」のゆくえ:スヴァーイリエン州の事例から」
 ☞発表要旨

14:40~15:40:研究発表②
 ●貝塚 乃梨子(王立プノンペン大学客員研究員)
  タイトル「1993年体制下カンボジアのナショナル・アイデンティティ形成:
       初等社会科教育の分析を中心に」
 ☞発表要旨

15:40~15:50:休憩(10分)

15:50~16:50:研究発表③
 ●原田 至郎(東京大学大学院情報学環・准教授/
  Visiting Professor at Department of International Studies,IFL, RUPP)
  タイトル「カンボジア王国国民議会選挙の結果および評価に関する分析的考察」
 ☞発表要旨

16:50~17:20:総括

※研究会終了後、懇親会を予定しています。

■参加申し込み:大体の人数を事前に把握するため、
 研究会への参加をご希望される方は、貝塚(riko_riri1109[atmark]yahoo.co.jp)まで、
 ①氏名、②所属、③e-mailアドレスをご連絡ください。

 参加お申込みのご連絡は、9月12日までにお願いいたします。

2013年9月1日

東京外国語大学、カンボジア語講座

東京外国語大学、カンボジア語講座
http://www.tufs.ac.jp/common/open-academy/course/application/index.html

講座名 カンボジア語初級Ⅱ(夜間) A131014
会場名 本郷サテライト
曜日・時間 木曜日 19時00分~20時30分
開講日 2013年10月10日~2014年1月16日(休講日 11月21日、12月26日、1月2日)
講師 福富 友子(本学非常勤講師)
重点を置く学習内容 会話
受講対象者 カンボジア語の基礎的な会話を学んだことのある方、たとえば『ニューエクスプレス カンボジア語』ならば第9課あたりまでを学んだ、あるいは自習したという方を対象とします。
講座説明 この講座は、『ニューエクスプレス
カンボジア語』第10課から始めます。受け身や使役、家族の紹介、経験を尋ねるときの言い方などを学び、会話をふくらませていけるようになることを目指します。実際に旅行や仕事でカンボジアを訪れたときに会話を実践できるよう、単語も増やしていきましょう。文字も、徐々に読めるように練習していきます。また言葉だけでなく、カンボジア社会や文化について理解するために、カンボジア人講師に参加してもらう回ももうけます。

テキスト 『ニューエクスプレス カンボジア語』上田広美 白水社 2,835円 (税込)
回数 全12回
受講料 18,000円
開講形式 単独講義 定員 14名

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講座名 カンボジア語初中級Ⅱ(夜間) A131015
会場名 府中キャンパス
曜日・時間 火曜日 19時20分~20時50分
開講日 2013年10月8日~2014年1月14日(休講日 11月19日、12月24日、12月31日)
講師 福富 友子(本学非常勤講師)
重点を置く学習内容 講読・文法
受講対象者 カンボジア語の文法の基礎と文字のしくみを一通り学び、辞書を引くことができるようになった方を対象とします。
講座説明
このクラスでは、カンボジア語の民話やエッセイ、新聞の短い記事などを読んでいきます。まとまった文章に慣れていくことで、読む楽しさを身につけましょう。カンボジア語で書かれたものを読めるようになれば、会話だけでは気づかないさまざまな情報を得ることができ、カンボジアへの興味もさらに深まるでしょう。授業では、『ニューエクスプレス カンボジア語』も使用して、文法や語彙、発音の復習も行います。カンボジア人講師を招いて、読み物の背景となる習慣や社会についての話を聞く回ももうけます。
テキスト 『ニューエクスプレス カンボジア語』上田広美 白水社 2,835円 (税込)
回数 全12回
受講料 18,000円
開講形式 単独講義 定員 20名