吉田尚史(YOSHIDA Naofumi)立正大学
「在留カンボジア人労働者の医療・福祉についての検討-“精神の不調”に注目をして」
“A Study of Cambodian Workers on Medical Service and Social Welfare in Japan: Focusing on "Mental Issues"”
本発表の目的は、タイトルにもある通り、在留カンボジア人労働者の医療・福祉について、「精神の不調」に注目をして、検討を行うことである。発表が依拠する資料は、第一に官公庁・公的機関が公開している統計データを含めた一次資料、第二に在留外国人労働者、彼らの医療・福祉、そしてカンボジアに関連する先行研究による二次資料である。本発表では、労働者のうち、定住が前提でない2つの在留資格(技能実習、特定技能)によるカンボジア人を主たる対象とし、その現状と課題について言及する。発表者は、国内・国外でフィールド調査を今後進める予定であり、本発表の内容はその基礎的資料となるものと考えている。暫定的ではあるが、カンボジア人を含めた在留外国人労働者の医療・福祉上の課題において、公的サポートによる対策は適宜とられているものの、メンタルヘルス不調の場合ではより困難さがあり、その実情は十分に明らかではないと結論づけられた。