2015年5月21日

6/20 第9回日本カンボジア研究会、発表要旨3

山崎寿美子(筑波大学人文社会系)
「カンボジア北東部の地名にみるラオ語とクメール語の運用(仮)」

 本発表では、カンボジア北東部のストゥントラエン州およびラタナキリ州における地名(州名、群名、区名、村名など)に着目し、ラオ語とクメール語の実際の使われ方について検討してみたい。データは、主に、2007年から現在にいたるまで当該地域で継続している調査にもとづき、現地のラオ人やクメール人が日常的に言及する地名や地図上の地名について分析する。1960年代シハヌーク政権下の移住、そして近年、他州から当該地域へのクメール人の移住が進むなか、地名のつけかた、実際の使用法について検討することは、言語の運用はもちろんのこと、カンボジアにおけるラオ人とクメール人の移住の経緯等を明らかにする手がかりとなると考えている。本発表では、資料収集が不十分ではあるものの、これまでの現地調査のデータから、①音の類似あるいは意味の類似にもとづくラオ語からクメール語への変換、②クメール人居住地域におけるクメール語の地名、③ラオ語の地名の定着といった3つの特徴がみてとれることを提示したい。

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