2015年5月21日

6/20 第9回日本カンボジア研究会、発表要旨2

笹川秀夫(立命館アジア太平洋大学アジア太平洋学部)
「第二次世界大戦期のカンボジアに関する基礎研究」

 本報告では、第二次世界大戦期のカンボジアにおいて、(1)いつ、何が起きたか、(2)だれが、どのように関わったか、(3)カンボジアにおいて、どのような反応が見られたかという点を検討することを試みる。当該期のカンボジアにおいては、1940年末からのタイ=仏印戦争とその戦争に起因する領土割譲、1941年7月28日からの日本軍による南部仏印進駐、1942年7月のハエム・チアウ比丘の逮捕とそれに反対する傘のデモなど、その後のカンボジア史に大きな影響を与える出来事が起きている。これらの出来事について、カンボジア、プノンペンに所在するカンボジア国立公文書館の資料や、フランス、エクサン=プロヴァンスに所在する国立海外公文書館の資料は、先行研究でもそれなりに利用されてきた。しかし、依然として利用されていない資料も存在し、さらに言語障壁という問題から、日本語の資料や刊行物は、これまでのカンボジア研究でほとんど利用されていない。そこで本報告では、上記3点を検討するにあたって、これら資料や刊行物がもつ価値について議論を進めたい。

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