2025年6月9日

発表要旨(6)

 <高校生によるグループ発表>

細野景叶・近藤修真(HOSONO Keito, KONDOU Syuma)成城高等学校

「スロラウチュルム村における地雷撤去による土地再生」

“Land Reclamation Through Demining in the Village of Slorau Troum”

(発表要旨)

現在カンボジアは内戦時からの復興に力を入れている。その中で、米の生産量を比較すると 18 年で約 2.8 倍に増加している。また、一人当たりの耕地面積も 1.5 倍ほどに増えている。それは 2000 年代以降の諸外国からの援助によってインフラが急速に整備されているからである。一方で、ポル・ポト政権崩壊後の内戦時に埋められた 400~600 万もの地雷は撤去がすすんでいるものの現在でもまだ存在している。このことにより、有効活用できない土地が存在しているのである。そこで私たちは土地を有効活用するために地雷撤去による土地所有と稲作を中心とする農業生産性及び住民の生活の変化について明らかにする必要があったため、私たちは日本地雷処理を支援する会(Japan Mine Action Service:JMAS)の支援を受けたバンテアイメンチェイ州スロラウチュルム村で農業を営む農家に対して月収や耕地面積、学歴、JMAS の支援の効果などの聞き取り調査を行った。その結果、JMAS の支援による収入の増加や農業や生活向上へのさらなる投資が期待できる。一方で、学歴と月収に相関がなく、耕地面積と月収にも相関がないことから、農家たちが言う月収には確実性がない可能性も否定できない。それは、数字の計算などの十分な教育の不足の影響もあるため、子供のみならず、大人への基礎的な教育の充実が必要である。