2025年6月9日

発表要旨(5)

 <高校生による発表>
尾上大和(ONOE Yamato)宮城県仙台二華高等学校
「カンボジアにおけるマイクロファイナンス活用の現状と課題」
“Current Status and Challenges of Microfinance Utilization in Cambodia”

(発表要旨)
本研究ではカンボジア農村社会におけるマイクロファイナンス利用の現状と課題を調査した。シェムリアップ州アンコールクラウ村、プラサート・チャッ村、トンレサップ湖北部の水上集落、合わせて49軒にインタビュー調査を行ったところ約70%の家庭がマイクロファイナンスを利用していた。また、マイクロファイナンス利用の理由を質問したと結果、利用した家庭のうち約85%がマイクロファイナンス本来の目的である、貧困脱出のための事業開始資金への融資以外の目的で利用しており、またマイクロファイナンス側も経営方針を貧困削減から営利追及に変更しており、カンボジア農村社会においてはマイクロファイナンス本来の役割が失われている、という課題があることがわかった。また、マイクロファイナンスを利用した家庭の約半数は世界銀行が定める「極度に貧しい状態」で生活しており、返済能力がない家庭もマイクロファイナンスを利用している、という課題も存在する。